第52話 消失2 【自作小説】アオハル・イン・チェインズ 桜の朽木に虫の這うこと(二)
ウツロを保健室へと運んだ真田龍子と聖川清人。
星川雅が応急処置をし、たまたまその場にいた南柾樹も手伝いをした。
聖川清人は星川雅がていよく退出させ、あとにはいつもの四名が残された。
「ウツロ、大丈夫かな……」
治療は済んだものの、ウツロはベッドに横たわったまま、目を覚ます気配がない。
「ダメージがかなり大きいから、しばらくはすやすや眠ってると思うよ。まったく、龍子がいなかったら危なかったよ。自分で助けにいって助けられるなんてさ」
「まあ、雅。とにかく二人と