第46話 狂態 【自作小説】桜の朽木に虫の這うこと
「ドチクショウがあああああっ!」
地面に両手をつき、天を仰いで、少女は咆哮した。
「なんでだっ!? なんで思いどおりにならないんだっ!? わたしが支配者だぞ!? 帝王はわたしなんだ! なのに、なのにっ! なんでだあああああっ!」
星川雅が抱える異常な支配欲求――
それが満たされなかったときの成れの果て。
幼児性と狂気の暴発である。
もはや自分ではコントロールできない。
制御不能となった彼女は、機械のようにひたすら大地を殴った。
だだをこねる子ども