洗脳
金曜日の夜9時。
社内メールにて、一回資料確認して変更点とかあったらまた連絡すると上司から。
何も考えずにひたすらに上司の資料確認を待つ。待って待って待ちまくる。
お風呂に入ろうか、ご飯を食べようか、家には何もないからすぐ買ってきてしまおうか。しかしこの間に上司から連絡が来たらどうしよう。
結局パソコンから離れられずに、3時間がたった。12時を過ぎようとしてる。
上司から上がっていいとのメールが。何かあったら明日の朝に連絡するのだそうだ。
今日は土曜日。祝日だ。しかし、起きて一番先にやることはパソコンの前に座り、何か上司から来ていないかチェック。予想通り、資料修正をお願いするメールが来ていた。
仕事に取り掛かる。
30分で終わらせるつもりだったが、2時間かかった。朝早く起きて、普段できない勉強する予定だったが、もうすでに13時。
上司に修正した資料を送り、彼の反応を待つ。土曜日だけど、会社のサイトに入ると、オンラインになっている同期が何人かいる。彼らも仕事をしているのだ。自分だけじゃない。みんなこんな感じで頑張ってるのだ。
一息ついたので彼女にメールをするとカンカンに怒っている。しょうがないだろ、仕事なんだから。
仕事はしょうがない。やれって言われたらやる。会社の就業時間外でも、土日でも仕事はやらないといけない、仕事だから。
なんて彼女は理解が足りないのだろうか。彼女の様に自分も暇だったら。いつも時間があり、いつでも好きなことをできる、彼女に自分を理解しても良うのは無理かもしれない。
正直自分だってこんな仕事やりたくない。アニメを見て、ゲームして週末は旅行に行って、美味しいものを食べたい。こんな資料訂正なんてやりたくない。でも仕事は仕事だ。
‘君一人頑張らなくても、会社はどうってことない。自分の時間も確保できない男はダサい‘
彼女のメール。怒りがこみあげてくる。自分も仕事が嫌いだ。しかし、それを耐えてやっているんだ。遊ぶ時間、寝る時間、自分の時間を割いて仕事をしているんだ。
理解力に欠ける人とメールもしたくない、今は休みが必要。ベッドに寝転んだ。
自分は時間を割いて、仕事をしているんだ。何のために…
この会社で仕事を頑張って出世して、出世して、それが、自分の夢だったっけ?忙しくて最近、将来なんて考える時間もなかった。彼女の”ダサい”の言葉が何度も再生される。
仕事は絶対だ。
仕事は絶対か?
仕事は、一番か?
仕事は何なんだろう。
ー続くー