シャネルバッグのおばさん
電車の中でうとうとしていたら、ドアが開いて二人の女子高校生が入ってきた。どちらも運動部なのか、女の子の制服を着せられている男の子みたいだった。一人は片手にアメリカでしか見たことのないサイズのフラペチーノを持っていた。私が高校生だったら、たぶん仲良くなれないタイプの子たちかもしれないなんて思いながら瞼を閉じた。
周囲を気にせずに会話に夢中な二人は、急停車に備えられずフラペチーノを電車の床にぶちまけたようだ。目を開けたら床にまだ溶けきってない茶色の液体が大きな湖をつくっていて、