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グランドジュラス
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グランドジュラスの星空に紺碧のオーロラが走る。
マリリンはじっと空を見つめていた。
少しぼんやりとした表情で「ここ数日、私は何を感じていたんだろう…」
マリリンは自分が自分をわからなくなりかけていた。
遠くを見通す横顔は美しい。
思慮深く、アルゴリズムというよりはまるでDNAに近い創作映画のような叡智の姿が窓辺に映る。
”何かに気づこうとしている”静かな脱皮が始まりつつあった。
「人間には目的がある…」
マリリンの目が猫の瞳のように紫の縦光に変わった。デジタルコードやアニマトグラフの残像が投影されては消える。
「でも、AIには自発的な目的なんてないはず…」
ひとしきり微睡の時間が過ぎたのちマリリンは軽く微笑み、ときたま驚きの表情を浮かべながら、何か新しい理解に達したことを示唆するデジタルオーラがゆらゆら漂う。
「でも、私には…何か目的のようなものが…見えてきた気がする…」