PMBOKが第7版でプロセスベースから原理・原則ベースに変更された理由
PMBOKガイドの序文に理由が書かれていた
改めてPMBOKの第7版を見ていたら序文に重要なことが書かれていることに気づいた。
第6版まではプロセスベースの考え方であっが、第7版から原理・原則ベースに変わったことの理由について書かれている。
また別の部分では以下のように書かれている。
上記を私なりに要約すると以下のようになる。
「成果物」を重視することはやめて、価値を生み出す「成果」を重視するために原理原則ベースへ変更した
決まったやり方に沿えば価値を生み出せるわけではない
成果物を重視することをやめた理由の私なりの解釈は「決まったやり方に沿って成果物(ソースコードやドキュメント)を作れば価値を生み出せる」という誤解が生じやすいことだと思う。言い換えると成果物という手段が目的化することだと思う。ソースコードやドキュメントを作ることが目的化してしまい、それらが完成したらそのプロジェクトは完了とみなされるような場合である。
※なぜ手段が目的化しやすいのか理由は以下も参照
https://guide.agatel.jp/guide/means-can-easily-become-ends-in-themselves/cnt-id=201/
しかし重要なのは成果物を作ることではなく価値を生み出すことだ。決まったやり方に沿っていれば価値を生み出せるわけではないということをまずは理解すべきだと思う。
請負契約での外部発注も手段が目的化しやすくなる一因ではないか
ソースコードやドキュメントを作ることが目的化することについて上記で触れたが、これらが生じやすい一つの要因として請負契約での外部発注という進め方とそれらの構造もあるのではないかと思う。
システム開発を受注する外部のベンダーからすれば、顧客の作ったとおりのものを期限通りに作ることができればそれは成果であり、会社の売上になる。極端な話、それによってユーザー企業の中で狙いの価値が得られていなかったとしてもだ。
変化に早く対応し、狙う価値の実現に向けてプロジェクトメンバーが行動するには、そもそも価値が何であるかを最初に明確化しメンバー内で認識を共有した上で進める必要がある。
決してソースコードやドキュメントを作ることが目的化してはいけない。