決意はふと、真夜中に。vol.3

ネットニュースも、記事の更新が早い。
あっという間に世間のものとなる。
雨が降り続く異例の前線の長期停滞も勿論、大変な事だが、それ以上に昨日の電車事故の反響が大きくなっていた。

街行く人も、誰もが釘付けだ。
気にしないでいられる人なんていない。

数時間前、この地球で赤い星が降ったのだ。
それも地球で育った、人間が、だ。
フラフラと飛び込んできたのかと思ったら直前で、こちらに向かって走ってくる。
そのままジャンプをし、大の字の手と足を大きく広げた姿勢で。
当たった。
そこから先は言うまでもない。
想像にお任せするし、それに多分、、、
想像通りだ。
僕らは星になれることを本当の意味で知った。

『何にも食べられねーやー』
コーヒーを飲みながら浩太朗は言うので、コイツはすぐにお腹が空いたらなにかを食べるだろう。
『昨日の今日だからな』
珍しく勉強スペースで2人で話しながら勉強をする。
一瞬だとしても、こんな時間はまるで奇跡だ。
『その割には真琴、普通だね』
『いや、面食らってるよ。あんなの、誰だってそうだろ?』
目の前で人が向かってきたのだ。向かう筈が無い場所で。
『、、、。その割にニヤニヤしてるね』
ハッとした。
自分でも気付かなかった。
慌てて普段の表情を取り繕う。
なにがおかしいんだ。
面白いことなんてある筈が無い。
人が飛び込んだんだ。
そんなの、誰だってショックな筈だ。
『今度は真っ青』
考えるだけで具合が悪くなる。
もうここにいることが出来ない。
吐き気を催し、
『もう帰るわ、、、』
すぐさま立ち去る。
『あ、おい真琴〜』

そんな時に浩太朗のスマホに通知が届く。
『あ、昨日の事件の話、、、』
『え、これって、、、?』

続く

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