言葉の意味を再確認してみましょう
こんにちは。
最近私の周りでよく聞く言葉がありますが、本来の意味を調べてみると異なった意味で用いられる、いわゆる「誤用」されている状態でした。あまりにも最近よく聞くので、今回はその意味を再確認するとともに、ビジネスマンの一人として言葉の「誤用」に関してコメントしたいと思います。
「近しい」って最近よく聞きますよね
最近、「近しい」という言葉を使う人が多い気がします。
本来「近しい」は「親しい」と表現することもできるように、「近しい間柄」というように人間関係が近いという意味を指す言葉ですが、なぜかシンプルに「近い」と使うべきところを「近しい」と言い換える人が最近多い気がします。
普通に「近い」というより「近しい」といったほうが難しい言葉を使って表現している感じがするので、そういった雰囲気を出したいときに使われ始めたのだと推測していますが、特に最近よく聞くようになって気になったので今回話題に上げさせていただきました。
本来の意味を理解している人からすると、言葉の意味を正しく理解せず使っちゃっているなという目で見られてしまい、ビジネスマンとして恥ずかしい思いをする可能性がありますので注意しましょう。
よく見る誤用
冒頭で「近しい」という言葉を取り上げて誤用を話題に上げましたが、ついでなのでよく見る誤用を簡単に紹介してみます。皆さんの気づきになればと思いますので参考にしてください。
役不足
重要な役割を任されることになったときに、自信がないからと言って「私には役不足ですよ」というと大間違いです。
この場合、自分の能力より役割が重いと感じている場合は「役者が不足している」が正しい表現となります。不足しているのは役ではなく役者の方です。役不足なんて言ったら、与えた役割に不満があるのかと怒られてしまいます。
姑息
「卑怯な」という意味ではなく「その場しのぎの一時的な」という意味が正しいです。その場しのぎの対応が転じて卑怯というイメージで使われるようになったんだと推測しています。
煮詰まる
議論が行き詰まるときに使われることも多いですが、これは間違いであり、議論が進み結論を出す段階にきている状態を表していることが正しい意味となります。
さわり
話のさわりの部分とはどの部分を指すものでしょうか。
話の最初の部分を指す意味だととらえている方も多いでしょうが、実際は話の要点の部分を指す言葉となります。「話のさわりだけ掻い摘んで」という表現は、最初の部分を簡単に説明するのではなく話の要点を説明することになります。
失笑
嘲り笑う、冷笑を指す言葉ととらえられることが多いですが、実際は笑いをこらえきれずに吹き出してしまうことを指します。
失言、失火の失に近いイメージととらえると覚えやすいのではないでしょうか。
確信犯
「悪いことと分かっていて行う人」という意味で使われることが多いですが、「(思想的に正しいと確信して行う)政治犯」として使われるのが本来の意味となります。
破天荒
最近あまりテレビを見ないのですが、破天荒芸人なんて肩書でテレビで大暴れしている人もいます。ここで使われる「大胆で型破りな様子」は本来の意味ではなく、「誰も成し遂げたことがないことを初めて達成すること」が本来の意味になります。
まとめ
今回は最近気になった誤用に関してまとめてみました。
誤用もここまで広まって使われるようになると本来の意味とは別の意味を持つようになって、いずれその意味が辞書にも載るようになります。
学生時代、初めて古文を勉強していた時に、「いとおかし」とはいったいどういう意味だと思いましたが、同じ言葉ですが現在と違う意味で使われている言葉が古文にはたくさんあったことが思い出されます。
古文と現代文を比較すると、言葉は長い年月をかけて少しずつ意味が変わってきたことがわかりますが、近代以降出版やメディア、情報通信の発展で言葉の普及が昔と比べて格段にスピードアップしています。そのような時代なので、新しい言葉、新しい意味が生まれて瞬く間に普及してしまうという状況なのでしょう。
誤用は誤用として理解しつつ、相手が使った場合は(本来の意味か、誤用なのか)その意味を正しく受け取って会話できるようにするのが大事だと思います。