夜のミッキー・マウス
谷川俊太郎の詩集の中で一番のお気に入りは「夜のミッキー・マウス」
ポケットに入るくらいのうすい手帳ほどの本。
詩集を読んで何も感じないときは、考えごとをしているときや、気持ちが落ち着かないとき。逆に、心に響くときは、なぜか何も考えていないときに、すっと頭の中に入ってくる。
私の中での詩の楽しみ方は、「余韻」である。谷川さんの詩の余韻は、炭酸ジュースのキャップをひねったときに勢いよく抜けていくものもあれば、コーヒーのように香ばしい湯気を立てて楽しませてくれるもの、はたまた、ウィスキーのような複雑で馥郁とした香りで酔わせてくれるもの。いろいろな顔が見え隠れして楽しい。
・百三歳になったアトム
・ママ
・忘れること
・眼覚める前
・私らしき男
・広い野原
このあたりが特にお気に入り。たまに古本屋で見つけた詩集の本の頁の端っこが折られたりしていると、この人はここに感動したんだなとか思ってしまって、買うつもりだったのに辞めてしまう時がある。あの感情はいったい‥