戦後最大の危機に直面して畳屋が今すべきことは何なのか考えた結論
皆さんご存じの通り、本日2020年4月7日19:00~安倍総理が緊急事態宣言の内容について国民に向けて説明をしました。
正直自分もコロナウイルスに対する理解の浅さや気の緩みがありました。
しかし日に日に状況が悪化。
コロナウイルスの危険性も更に露になってきました。
飲食店やホテル業界の苦労が連日ニュースで騒がれています。
それだけでなく自粛要請で多くの店舗が閉鎖。
それにかかわる物流の大半もストップ。
もはや一業種だけでなく日本、そして世界全体の経済の大問題となっております。
畳業界も例にもれず、弊社の畳部門も4月の売上見込みは前年比の8割減。
安倍総理が「戦後最大の危機」と表現したこの国難に対して、畳屋がすべきこと、できることを真剣に考えてみました。
「3密を避ける」や「飲食店を応援するためにテイクアウトを利用する」などよく言われていことには触れず、畳業界に限ったことを綴りたいと思います。
全国の畳屋さん、是非この危機を一緒に乗り越えて、畳を後世に残していきましょう!
1.なぜ今畳屋の仕事が激減している?
畳屋の仕事が激減している理由、それは畳屋の仕事がいわゆる「濃厚接触」のオンパレードだからです。
畳屋の仕事は多くのシーンでお客様に会います。
・お宅を訪問して寸法を測る
・古い畳をはがす
・新しい畳を敷き詰める
・料金の集金に行く(いまだに大半が現金)
濃厚接触のオンパレードまでは言い過ぎかもしれませんが、
ソーシャルディスタンスが叫ばれる今の状況で、他人を家に入れたいと思いますか?
誰がどう考えてもみんな嫌がります。
なので畳替えの注文が激減しています。
ではどうする。休業する?
それもNoです。
経済活動を止めてはいけません。
その理由を次の項で綴ります。(わざわざ語るまでもないことですが)
2.経済活動を止めるのは絶対にダメ
自粛だから畳の仕事もストップ。
それで自分や家族の生活はどうするの?
従業員の生活、その家族の生活は?
そしてマクロな視点で見ると日本全体としても大問題。
コロナのせいにせずに「今できること」、「今だからできること」をしっかりやりましょう。
「経済活動」=「畳屋の活動」を継続して、自分、自分の家族、社員、その家族を養い、そして税金をしっかり納めて社会に貢献しましょう。
これはキレイゴトではありません。
畳文化を背負う我々の使命です。
次からは具体的にどうやって経済活動を継続するかを綴りたいと思います。
3.畳屋もテクノロジーを駆使して
古臭い畳屋だってオンライン会議の時代です。
zoomでもLINEでもok。スマホでできる。
普段私は、住居の東京と本社の福島を往復していますが、感染拡大を防止するため東京に留まり、すべてTV会議で対応しています。
実際やってみると案外これでも大丈夫。コミュニケーションもしっかり取れます。
次にお支払い。いまだに多くが集金です。
集金って何?って世代の方も多いでしょう。要は現金支払いです。
数万、時に数十万円の現金をいただくことがあります。
そこはシンプルにキャッシュレスにしましょう。
弊社で使っている「square」ならば対面せずにオンライン上で決済できます。
この機会に電子決済の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
手数料?そんなのその後の経理の手間を考えたらむしろ効率が上がります。
次の項ではいかに稼ぐか、いかに畳を売るかを綴りたいと思います。
4.お客様に会わずに売れる畳を
本項が今日の本題です。
コロナのせいにして経済活動を止めるのは辞めましょう!
お客様に会わずに売れる畳を作りましょう!
どうするか?それは畳のカタチを変えることです。
(引用:セキスイ)
敷き詰める畳ではなく、現代風の板張りのリビングに置ける畳です。
これらの畳はお客様のお宅を訪問する必要はありません。
寸法は決まっていて、郵送で対応できます。
そして休校、在宅勤務などで家の時間が多くなっている家庭に少しでも安らぎを提供することができます。
畳の良さはまさしくそこだと思います。
言葉では言い表せない「温もりや落ち着き」があります。
次にこれも畳の新しいカタチです。
これらもコロナの感染拡大が始まった後に商品開発しました。
お花見の自粛が叫ばれるため、家の中でもお花見気分が味わえるようにと桜柄のヘリを使ったものも作りました。
もちろんこれも人に会わずにお客様にお届けすることができます。
従来型の和室の畳が厳しい今、カタチを変えて畳を提供してみてはいかがでしょうか。
もちろんこの商品を真似していただいて構いません。作り方もお伝えします。
使命は畳を後世に残すこと。畳業界全体が盛り上がることが最優先です。
その中で元祖はどこ?となった時に久保木の名前が出たら、人生を決して畳業界に飛び込んだ自分の決断が間違えではなかったとほっとするでしょう。
1点だけ要望。しっかりと利益が得られる値付けをしてください。
利益が得られないと事業者が減って畳を後世に残すことができません。
畳を後世に残すことと利益を得ることは切っても切り離せません。
長くなりましたが、「カタチを変えて畳を残していきましょう」ということが本項の趣旨です。
5.畳にもデジタルマーケティングを
カタチを変えてもどうやって売るの?宣伝は?という声が聞こえてきそうです。
デジタルマーケティングと一口に言ってもどうするの?
もちろん弊社も頭を悩ませています。なぜならやったことがないから。
本来4月は新聞折込チラシを撒いて、和室の畳替え需要を掘り起こします。
ですが今は人に会う畳商売ができないので、その広告宣伝費を全てweb広告につぎ込む予定です。(すでに始めています)
具体的にはinstagram広告です。まだ始めたばかりなので効果は出ていませんが、後々こちらで報告していきたいと思います。
お伝えしたかったのは、従来型の宣伝方法の殻を破って新しい方法にチャレンジするのは今ではないのかということです。
6.実はコロナは関係ない?
以上の内容を振り返ると実はこれってコロナは関係ないのではないかと思うようになりました。
そもそも和室の畳替え需要はみるみる減少しています。
そして多くの家庭が板張りフローリングの上で生活しています。
和室の需要が減る中で、畳を後世に残すために必要だったこと、これがつまり今を生き抜くすべではないかと気づかされます。
畳を後世に残していくために、今こそ全国の畳屋が力を合わせて前に進みましょう!
私たちはこの危機を絶対に乗り越えられます!
最後に、畳業界のみならず、日本、そして世界全体の方々の健康をお祈りするとともに、この危機がいち早く終息し、皆が笑顔で日常生活を送れる日が来ることを切に願っております。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
久保木史朗