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韓国にいる「第二の母」のような存在であるおばさんの話
私には、韓国に住む「第二の母」のような存在のおばさんがいます。
おばさんは父の従姉妹で、私が0〜4歳くらいまで、日本の我が家で暮らしていました。
私にとっては、生まれた時から当たり前に一緒に住んでいたおばさん。
ですが、ほかの親戚はすべて韓国にいます。大人になってからふと「なぜ、おばさんと一緒に住んでたんだろう?」と思い、母に聞きました。
おばさんを日本に呼ぶことは、急に決まった
日本におばさんが来たのは、おばさんが韓国で高校を卒業した後のこと。
おばさんは5人姉弟の長女で、大学へは進学せず就職をしようとしていたけど、就職先がなかなか見つからなかった状況だったそう。
その状況を知った父が、おばさんに「日本に来て一緒に暮らしながら、日本語を勉強すればいい」と話し、すぐに日本に連れてきました。
父は母に事前に相談することなく、決定事項として伝えてきたそうです。
いやぁ、おそろしい亭主関白ですね…
その時、私が産まれた直後で、姉は2歳、私は0歳。母は父との結婚を反対されていて実家に勘当されているので、近くに頼る親戚もいない状況。
父は、おばさんが家事なども手伝ってくれることも見込んでいたのかもしれません。
ただ、その時点では、おばさんは日本語はまったく話せません。
母は小さい子ども2人を抱えながら、日本語を話せないおばさんと、一緒に暮らし始めたわけです。
母にとっては、なかなかカオスな状況だったのではないでしょうか。
こういった経緯は、私が大学生以降になってから母から聞いたのですが、聞くたびに「うちのお母さん、だいぶ腹が座ってるんだな」と思います。私にはとてもできそうもありません。
国際結婚は大変なことが多いと、娘の立場から見ていても思いますが、腹がすわっている母だからこそ、できたのかも。
(もしかしたら、国際結婚をした結果、腹がすわったのかもしれませんが…)
赤ちゃんの私と一緒に、日本語を勉強した
おばさんにも当時の話を聞いてみたところ、私や姉が読むような幼児向けの本を一緒に読んで、日本語を勉強していたそう。
大人を相手に勉強中の日本語を話すよりも、子ども相手に話す方が緊張しないですんだそうです。
たしかに、私も韓国に行くと親戚の小学生の子と話す方が気が楽です。難しい単語を使わなくて済みますし。
ちなみに、おばさんは、5年ほど日本にいて日本語をマスターし、韓国に戻った後は道庁(日本でいうところの県庁)で通訳として働いていました。
おばさんが韓国に帰ってからも、交流はずっと続いています。私たち家族が釜山に行くときは、いつも空港に迎えに来てくれました。
数年前にうちの母が還暦を迎え、母と娘で初島に旅行に行った時は、おばさんも韓国から来てくれて、みんなで旅をしました。
そんなおばさんは通訳として働き続け、昨年定年を迎えました。定年したら、一緒に日本や韓国を旅したいねと話していたので、行き来ができるようになったら、旅行したいなと思っています。
というわけで、我が家に同居していたおばさんの話をしましたが、なかなか韓国の親戚付き合いは濃いです。
韓国人の夫さんがいて、現在は日本で一緒に暮らしている友人も、韓国にいる義理のお姉さんからしょっちゅう連絡がくるのだとか。
良くも悪くも、韓国は日本よりも親戚付き合いが濃く、距離感が近いです。