空港の出発ロビーの話

僕は心配性なんです。

飛行機や新幹線に乗るとき、もし予約している便に乗り遅れたらどうしようと考えてしまい、空港や駅にかなり早く到着します。

新幹線に乗るときは30分から1時間前に。飛行機の場合は1時間から2時間前に到着していると安心します。

2時間も前に到着して何をしてるのかといえば、大したことはしていない。
搭乗口でぼーっとしてるか、設置されているテレビを観るくらいです。
ただ、その時間がとても好きなんですね。
空港特有の四角くて広い座面の椅子に腰を下ろし、ぼーっとにている時間は至福です。
ちょっとした非日常感を感じならが登場時刻を待ちます。

2時間も早く着いていると、自分が乗るより前の便を見送ることになります。
出発間近になって航空会社の方が必死に走り回りながら搭乗客を探している姿を見ると、大丈夫かな、ちゃんと乗れるかな、などと心配しながら見守ります。
そして、買い物袋を抱えながらものすごい勢いで走ってくる搭乗客が無事に搭乗するのを見送りながら、ああ、人間っぽくて良いなとしんみりした気持ちになります。

そんなに時間があるならラウンジを使えば良いじゃないか。
そう思われるかもしれません。
僕も前はラウンジを使ってたことがあるんです。
好きな飲物も飲めるし、座り心地の良いソファもある。
でも、何か落ち着かないんです。
ついうっり寝てしまって飛行機に乗り遅れたらどうしようと考えてしまうから。

やっぱり僕は心配性なんですね。
でも良いんです。これが至福だから。