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【番外編】無になれる楽しさ、それが空を飛ぶ体験。

今回は番外編ということで、2018年7月13日に専門学校神戸カレッジ・オブ・ファッションさんで行われました地域ICT推進協議会(通称:COPLI):ドローンワークショップの活動について、お話したいと思います。

無になれる楽しさ、それが空を飛ぶ体験。

夫はどちらかと言えば、テクノロジーよりもその背後にある人間に興味があるタイプなので、ふつうは写真を撮っても、写っているものは人間ばっかりなんです。ところが、このワークショップでは珍しく人間以外のモノがたくさん写っているんですよ。それが、何かと言えばドローンです。

無意識で写真を撮っているにも関わらず、そこに人間以外のドローンが写っている。それは、なぜかと考えてみたのですけど、おそらく人間が環境に溶けちゃっているわけです。あまりにも楽しすぎて、人間とドローンの境目がなくなっている。つまり、飛んでいるのはドローンではなくて、自分自身なのです。

無になれる楽しさ、それが空を飛ぶ体験です。残念ながら、ドローンの楽しさを言葉で伝えるのは難しいです。言葉に圧縮するためには、あまりにも情報量が多すぎる。鳥の小脳は、人間の脳よりも遥かに複雑なつくりになっています。それは、三次元の空間を飛行するために進化したからでしょう。実際にドローンを飛ばしてみるとわかりますが、三次元の空間の動きをコントロールするのは極めて難しい。車の運転の100倍くらいは神経を集中させないと、すぐに落っこちてしまいます。ですので、ドローンは脳トレやボケ防止にも使えます。

無になれる楽しさ、それが空を飛ぶ体験です。

例えば、いま子供のプログラミング教室が流行っていますが、一部の論理的な秀才を除き、長続きすることはないと思います。大人でも難しい論理的な思考をいきなり詰め込もうとしたところで身につくわけがないからです。かえるの子はかえるです。それなら、3,000円でトイドローンを買ってあげてください。勉強嫌いの子供でも、間違いなく頭が良くなります。

なぜなら、安いドローンは飛ばすのは極めて難しいので、自ら試行錯誤するしかないからです。なんとか上手になろうとして夢中で頭を使うようになります。そのドローンをプログラミングで操作できることを教えてあげると、今度はプログラミングにも興味をもって自ら学ぶようになります。まず、自らの体験を通じて感動する。そして内面から湧き上がってくる疑問なり、向上心なり、探究心なりに注意を向けて学んでいく。これが太古の昔から何かを学ぶために人間が行ってきた基本姿勢です。書道、華道、茶道に並ぶ、「空道」です。

それは「空道」になる。

たったの12,800円で、最新テクノロジーを結晶化した人類の叡智が体験できる。

それでは、ドローンに興味を持たれた方が、実際にどのようなドローンから始めたら良いかという質問にお答えしたいと思います。好きなようにしてください(笑)どこから始めても楽しい世界が待っています!

安いドローンは操作性が難しいので、車でいえばマニュアル車を運転するようなものです。なかなか上手に飛ばすことができませんから、なにがなんでも上手に飛ばしてやるぞという向上心が湧き上がってきます。我慢強さと集中力、創意工夫をする思考力などの総合的な知性と運動神経が発達します。

高いドローンには、空撮という本当に魅力的な世界が待っています。空を飛んで世界を自由に見渡すことができます。この感動は言葉では伝えきれないので、ぜひ一度体験して見てください。はじめて空撮ができるドローンを体験して、何も感じなかったという人は聞いたことがありません。インターネットで映像を見るのと、自らが体験して自由に操作するのは全然違います。コントローラーをちょっと右に動かすと、ドローンがググッと動きまして、まるで自分が飛んでいるかような感覚がビビビッと伝わってきます。つまり、人間は自分自身の感覚や意識を空まで拡張してしまうのです。これが空になれる楽しさです。

人間は、自分の感覚や意識を「空」まで拡張する。

それでも、やっぱりおすすめできるドローンはありまして、それが『Tello』です。ドローン業界の雄DJI社と「インテル入ってる」で有名なIntel社が共同で開発したトイドローン(200g未満で自由に飛ばせます)です。最新テクノロジーの叡智がたったの12,800円で買うことができます!ぶっちゃけ、安すぎます。これほどコスパが高いテクノロジーの塊は、ちょっと外では見当たりません。

『Tello』でググってもらえたら、もうドローンめっちゃ好きやねんレポート(笑)が続々とヒットしますので、基本的なことはそちらにお任せして、ちょっとマニアックな内容だけ箇条書きで記事にします。

 ・価格は12,800~14,800円。リモコンは別売り(プレステのリモコンでも使えるらしい。)
 ・飛行時間は約12分、バッテリーの充電は1時間以上かかる。
  (ちょっと長めなので、楽しみたいなら予備のバッテリーを数個買うべし。)
 ・筐体は航空法規制外の約80g。10mの高さから落ちても大丈夫なタフなやつ。
  でも、軽いので野外では風にヤラレル。
 ・どこでも飛ばせて空から世界を自由に眺めることができる。
  映像は十分にキレイ。「手ぶれ補正機能」も搭載で思い出を残せる。←ここ重要です
 ・気圧センサー、赤外線センサーでホバーリングするので、初心者でも安心
 ・Slow/Fastの切り替えで「レース用ドローン」としても楽しめる。
 ・ビデオ録画を始めると映像転送でバッテリを消耗するので気をつけるべし。

うわ、やばい。ずらずら書いていたら、耐え難い物欲が・・・www
ポチっちゃだめだ、ポチっちゃだめだ、落ち着け、落ち着け(;´∀`)

さよなら、日本。世界へ飛び立つドローン業界。

今回のワークショップでは、株式会社HRCの三谷さんがスポンサーで、岩倉さんが米国を訪れた「AUVSI XPONENTIAL 2018」報告会がありました。この展示会は入場費14,5万という超高価なイベントで、当然そのレポートも有料なのですが、今回はCOPLIの活動ということもあって、特別に無料でご紹介頂きました。本当にありがとうございますm(_ _)m

こちらの展示会に参加している企業は、7割が軍事産業であり、サーベイランス(偵察)のための機械がメインになります。ボーイング社などの米国企業がほとんどですが、中国からはドバイで運用が開始するタクシードローンや日本からはラジオコントロールメーカーの双葉電子工業さんが参加されていたそうです。

米国では、ドローン業界の7割が「軍事産業」です。

ドローンは、バッテリの消耗が弱点なのですが、空を飛ぶ回転の力を利用して自力で発電する風力発電型ドローン(72時間連続飛行可能)だったり、水陸両用のドローンや全天候型ドローン、防災時に無線機の中継ポイントになるドローンなど、聞いたことがないような機械もたくさん展示されていたようです。(軍事機密で世の中に出てこないのかな?)

ドローンという機体だけでなく、その機体に搭載するソフトウェア、例えば、超音波を使った3Dマッピング、光を用いたリモートセンシング技術Lidarの活用例なども同時に展示されており、最新テクノロジーのオンパレードのような写真を見せて頂きました。

特に印象に残ったのは、いままで米国はドローン=軍事産業というイメージで、民間には馴染みが薄かった産業でしたが、ここ数年で急激に変化してきているという点です。民間ドローンといえば中国の独壇場でしたが、米国が本気で巻き返しに動いてきました。例えば、農業分野でのドローン活用が現在22州まで広がっているそうです。米国は農業大国でもありますので、テクノロジーを投入することで生産性を向上させようという狙いです。いまはディープラーニングで画像を識別できるようになりましたから、ドローンで育成調査を行ったり、農薬散布を行ったり、いままでは「目」がなくて自動化できなかったものが自動化できるようになったわけです。

ディープラーニングによって、機械に「目」が誕生した。

そのような流れを見てきた感想としては、日本では規制が多すぎて産業に成長しないという残念な事実でした。大企業でもベンチャーでも、規制の壁を超えることに時間を費やすくらいなら、ドローンをもって世界に飛び立つのが賢明であるという考えになっているそうです。さよなら、日本。経済の領域においては、もう世界はつながっているのです。さよなら、日本。ドローン産業は世界へ飛び立ちます。

明日の仕事は人工知能に奪われるかもしれない。残るのは何だろう。

いま自分がやっている仕事が人工知能は奪われるかもしれないということが話題になっています。働くという言葉には、レイバー(Labor)、ワーク(Work)、プレイ(Play)の3種類があります。産業革命による機械の発達で、人は過酷な肉体労働であるレイバーから解放されて、機械を操作するワークを得ました。当時の労働は、夜明けから日没と長時間(実働12時間が普通)で、児童も大人も同じ時間工場で働かされていたわけです。超ブラックですね。その状況から開放するために機械をつくったはずなのですが、レイバーを失った労働者は怒って、機械を打ち壊しました。

働くという言葉には、レイバー(Labor)、ワーク(Work)、プレイ(Play)の3種類があります

いま、日本を含む先進国ではワークが失われかけています。産業革命がレイバーを奪ったのと同じように、テクノロジーやグローバル化がワークを奪っています。レイバーからワーカーになるには何十年という時間を要したため、ワークを維持することも必要かもしれません。だからと言って、ワークをもう一度作るべきでしょうか。夫も自覚がありますが、余計な仕事を増やして価値のないワークを作っていないでしょうか。

大切なのは、ロボットや人工知能に置き換わってしまうようなワークではなく、人間にしかできない質の高いプレーヤーとしての仕事が増えていくように努力することではないでしょうか。機械や人工知能に置き換わってしまうワークとは何か?それは、コピーができる仕事です。コピーにはもはや価値がないとテクノロジーは教えてくれています。それは不可避(Inevitable)な流れです。

つまり、コピーが超贅沢にあるとき、それは無価値になります。その代わり、コピーできないモノは、希少化して価値を持つようになります。すべてがゼロに向かっていく中で、唯一コストが増加しているものは人間の経験です。これはコピーできません。

コピーできないモノは、希少化して価値を持つ。

経験の価値は上がり続けています。フォーブス誌の調査によると、高級なエンターテインメントは毎年6.5%の割合で伸びています。レストランや場の利用は、2015年だけで9%伸びており、コンサートのチケット価格は1981年から2012年までの間に400%伸びています。

ロボットや人工知能がいまの仕事を奪ったら、いったい何が残るかを知りたいなら、経験に注目すると良いでしょう。わたしたちはそれにお金を払うでしょうし、それでお金を稼ぐようになるでしょう。つまり、わたしたちはテクノロジーを使ってコモディティーを作り、自分自身がコモディティーにならないようにように、経験を生み出していくようになるのです。

テクノロジーは「コモディティー」をつくる。人間は「経験」をつくる。

いかがだったでしょうか。皆さん(妻)はどう思われますか。

○本日のおすすめ本

空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は、世界を制す
高城 剛 (著)
単行本(ソフトカバー): 224ページ
出版社: 集英社 (2016/3/25)


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