「FACTFULNESS」を読む
拝啓 奥さんへ
「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」の著者、ハンス・ロスリングは医師であり、公衆衛生の専門家であり、またTEDトークの人気スピーカー
でもあります。ハンスは、あるとき、人々がとんでもなく世界を誤解していることに気づきます。教育レベルの高い人も、世界中を飛び回っているビジネスマンも、またノーベル賞受賞者でさえ、事実にも同いて世界を見ることができていないのです。
なぜでしょうか?その理由は、誰もが持っている「分断本能」「ネガティブ本能」「パターン化本能」「焦り本能」などの10の本能にありました。この10の本能を抑えなければ、事実に基づいて正しく世界を見ることができません。いまある世界を正しく認識できなければ、社会問題を解決することも、未来を予測することも、危機に対応することできないでしょう。
ファクトフルネスでは、その10の本能を誰にでもわかるように説明し、どうしたらそれらの本能を抑えることができるのかを具体的に教えてくれます。それを学び、本能が引き起こすとんでもない勘違いに気づくことが、ファクトフルな世界の見方、つまり、ファクトフルネスにつながります。
それでは、ファクトフルネスの大まかなルールを見てみましょう。
分断本能を抑えるには
大半の人がどこにいるか探そう
ネガティブ本能を抑えるには
悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
直線本能を抑えるには
直線はいつか曲がることを知ろう
恐怖本能を抑えるには
リスクを計算しよう
過大視本能を抑えるには
数字を比較しよう
パターン化本能を抑えるには
分類を疑おう
宿命本能を抑えるには
ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
単純化本能を抑えるには
ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
犯人捜し本能を抑えるには
誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
焦り本能を抑えるには
小さな一歩を重ねよう
どの本能も詳しく説明したいところですが、時間に制限があるので「焦り本能」について、少し詳しく見ましょう。
「焦り本能」
いますぐ決めなければならないと感じたら、自分の焦りにきづくこと。いますぐ決めなければならないようなことはめったにないと知ること。
焦り本能を抑えるには、小さな一歩を重ねるといい。
深呼吸しよう
焦り本能が顔を出すと、ほかの本能も引きだされて冷静に判断ができなくなる。そんなときは時間をかけて、情報をもっと手に入れよう。いまやらなければ二度とできないなんてことはめったにないし、答えは二者択一でもない。
データにこだわろう
緊急で重要なことなおさら、データを見るべきだ。一見重要そうだが正確でないデータや、正確であっても重要でないデータには注意しよう。正確で重要なデータだけを取り入れよう。
占い師に気をつけよう
未来についての予測は不確かなものだ。不確かであることを認めない予測は疑ったほうがいい。予測には幅があることを心に留め、決して最高のシナリオと最悪のシナリオだけではないことを覚えておこう。極端な予測がこれまでどのくらい当たっていたかを考えよう。
過激な対策を注意しよう
大胆な対策を取ったらどんな副作用があるかを考えてほしい。その対策の効果が本当に証明されているかに気をつけよう。地道に一歩一歩進みながら、効果を測定してほうがいい。ドラマティックな対策よりも、たいていは地道な一歩に効果がある。
他の本能に関しても、どうように的確なアドバイスが書かれていますので、ぜひ原書を読んでほしいと思います。事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてきます。多謝。