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懐かしきかなスーパーコンピュータ「京(K computer)」
拝啓 奥さんへ
京(英: K computer)は、理化学研究所計算科学研究機構(神戸市:現在は理化学研究所計算化学研究センター:以下R-CCS)に設置されていたスーパーコンピュータです。総開発費1,120億円を投じ、2012年9月に共用が開始され、2019年8月まで運用されていました。
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特徴としては、1秒間に1京回(1兆の1万倍)の計算能力を持つ、当時世界最高水準のスーパーコンピュータでした。8万台以上のCPUを搭載し、6次元メッシュ/トーラス構造のネットワークで接続されていました。また、高性能・高信頼性と低消費電力を両立させていました。
下記の写真は、現在のR-CCSに展示されているスーパーコンピュータ「京」のシステムボードです。PCを自作した人があればCPU、メモリ、マザーボードで構成されているので似ているなと感じると思います。大きな違いは、水冷式で冷却しているところですが、その部分も富岳に比べると手探り状態で作っていたのだなと思わせる部分があります。
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スパコン「京」の成果ですが、創薬、医療、気象、防災、エネルギーなど、様々な分野の研究に利用されました。タンパク質の構造解析、地震シミュレーション、津波予測などや、世界のスーパーコンピュータランキングで1位を獲得したこともあります。いまは殿堂入り?してR-CCSの一角に飾られていますので、興味のある方は見に来てくださいね。ただし、見学には事前予約が必要です。
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スーパーコンピュータ「京」は、2019年8月に運用を終了し、後継機である「富岳」にその座を譲りました。「富岳」は、「京」の約100倍の計算能力を持つスーパーコンピュータです。
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「富岳」につきましては以前に別の記事で書きましたので、そちらを参照してください。
計算科学研究センターでは、若年層の科学技術・計算科学への興味喚起、「富岳」ならびにスーパーコンピュータ、計算科学等に対する理解促進を目的として、学校等の教育機関、企業等の団体を対象とした「富岳」の見学(現地ならびにオンライン)を実施しております。
また、年に一度、神戸医療産業都市内の研究機関や大学、病院、企業等が一般に施設を公開するイベント「神戸医療産業都市一般公開」が開催されます。昨年度は2024年11月2日(土)に開催されました(今年も同じ時期に開催予定です)。スーパーコンピュータ「富岳」の見学や神戸発の最先端研究を紹介するセミナー、実験体験、研究室や病院などの見学ツアーなど、年齢問わず楽しめる企画が盛りだくさんです。普段は入ることができない施設を見学し、体験することができる年に一度の特別なイベントです。興味のある方は是非ご参加ください。
最後に、スーパーコンピュータ「京」の時代に壁にかかっていた垂れ幕ですが、こちらは有名な書家に書いてもらったそうですが、実に躍動感があってかっこいいです。「富岳」も静かで良いスーパーコンピュータなのですが、スーパーコンピュータ「京」はやっぱりカッコ良くて夫は好きですね。
多謝。
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