海馬(脳は疲れない)を読む
拝啓 奥さんへ
海馬(脳は疲れない)池谷裕二+糸井重里 を読み直しました。
何度読んでも面白い本ですね。対話形式なのでさらさらっと読めます。
毎度のことながら、気に入った箇所を整理してみます。
脳の本質は、ものとものを結び付けること
ものとものを結び付けて新しい情報をつくっていくことが、脳の働きの基本です。脳は、毎日で合っている新しい情報がどういうものなのかを分類しています。そして、何かを解決したい場合には、まったく関係のないように見える情報どうしをとっさに結びつけるのです。
この脳の本質には、なるほどと思うところがありました。しかし、突き詰めていくと何でも同じになってしまうのではないかと思いました。
30歳を過ぎてから頭はよくなる
あらゆる発見やクリエイティブのものである「あるものとあるものとの間につながりを感じる力」は30歳を超えた時から飛躍的に伸びるのです。
プログラミングをやっていると25歳限界説というのが言われていましたが、あの話はどこにいってしまったのでしょうかね。本の題名である海馬が関係していることは確かですが、まだまだ脳の謎は多そうですね。
脳は見たいものしか見ない
脳は自分が混乱しないようにものを見たがります。見たいものしか見ない。脳は疲れないぐらいによく働くけど、その反面に主観的で不自由な性格も持っています。
脳のデメリットについても覚えておく必要がありますね。見たくないものは見えないというのは、何か不都合を隠蔽してしまうような気がします。
脳はわからないことがあると嘘をつく
脳は理不尽なことが起こるともっとも合理的な方法を決断します。また、海馬を損傷して自分の記憶があやふやになると、欠けた記憶につじつまを合わせるように自我を保とうとして延々と作り話をしてしまいます。
これも困った脳の性質ですね。勝手に嘘をついてしまうわけですから、どうしようもないですね。うまく活かせばストーリーテリングになるけれども、悪い方向に働くと詐欺師になってしまいます。
海馬は増やせる
脳の神経細胞は生まれた時が一番多く、あとは一秒にひとつくらいの猛ペースで減る一方だという常識があります。しかし、脳の中で情報の選別を担当している「海馬」の神経細胞は成人を超えても増えることがわかりました。ネズミにおいては「海馬が大きければ大きいほど、賢い」という実験結果が出ています。
これは中年の夫としては嬉しい結果ですね。なんでも減る一方だと思っていましたが、右肩上がりに増えることがあるのは良いことですね、
脳に逆らうことがクリエイティブ
刺激を求めているけれど、同時にいつでも安定した見方をしたがるのが脳です。創造的なことをしたいと思っている人は、画一的な見方をしたがる脳に対して、挑戦をしていなければなりません。
なかなか複雑な仕組みになっているのですね。
やり始めないと、やる気はできない
やる気を生み出す場所は脳の側坐核にあり、そこの神経細胞が活動すればやる気が出るという仕組みです。刺激が与えられると活動する場所なので、「やる気がない場合でも、やりはじめるしかない」のです。やっているうちに側坐核が自己興奮してきて、集中力が高まって乗ってきます。「仕事をやる気がしないと思っても、実際にやり始めてみる)というのはかなりいい方法でしょう。
寝ることで記憶が整理される
眠っている間に、脳は起きていたあいだの出来事をあれこれつなぎ合わせて、新しい組み合わせを作り出します。組み合わせた夢が現実と整合性がとれるかどうかを検証しているのです。睡眠はきちんと整理整頓できた情報をしっかりと記憶しようという、取捨選択の重要なプロセスです。眠らないということは、海馬に情報を整理する猶予を与えないことになります。やはり眠ることは重要なのですね。
センスは学べる
人間の認識は感性も含めて記憶の組み合わせでできています。ですから、創造性も記憶力から来るということができます。新しい認識を受け入れてネットワークを綿密にしていくことが、クリエイティブな仕事というものに近づいていくというヒントになるのです。ひとつの認識のパターンが増えると、組み合わせの増え方は、統計学的には莫大な数になります。
やりすぎてしまって人が天才
脳の中の考えのつなぎ変えをやり尽くしている人がいます。そんな情熱をかけて仕事ばかりしていると、ほとんど無意識に考えていることまで、表現の中に取り込んでします。だから、ものすごい魅力のあるものをつくるんだととでも言いたくなるような人もいます。そういった、思わずやりすぎてしまうほどに動機のある人を天才と呼ぶのかもしれません。
予想以上に脳は使い尽くせる
脳は使い尽くせるんだということに気づいたら、どんな年齢であっても、脳の力を伸ばしていくことができます。ふと、「これ、おもしろいな」と感じることはとても大切なことです。なぜなら、自分の視点にひとつ新しいものが加われば、脳の中のパターン認識が飛躍的に増えますので、新しい視点の獲得を繰り返せば、脳はそれらの視点を組み合わせ、驚くほど面白い考えや発見を生み出していくことができるのです。
以上、本文の抜粋になりますが、原書は上記のような面白い話がぎっしり詰まっていますので、ぜひ読んでみてください。多謝。
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