「店長の仕事」売れる売場づくり
今回は、お客様が入りやすい、どんどん集まってくるお店を作りには、店長は何をすればいいか、簡単にお話しします。
まず1番の基本は、お客様が求めている、望んでいる商品が揃っているか、そして、それがきちんと見せられているか、という事です。
この点が出来ていないと、せっかく入って来られたお客様もがっかりして帰ってしまわれます。そして、ただの談笑の場となってしまうのです。
商品の仕入れの部分は省いて、ディスプレイ等の売り場づくりの視点から見ていきます。
<商品を魅せる>
商品の持つ魅力を十分に引き出したディスプレイとは、どのようなものでしょう。
以前の記事「接客の心得 お客様がどんどん増えていく3つのポイント」でも書いていますが、工場から出荷されたものは、あくまで“製品”でしかありません。これに、店のスタッフがその製品の魅力となる点を探り、一番きれいに輝いて見えるように、“心を込めて”ディスプレイすることで“商品”へと生まれ変わるのです。
ただ入荷してきたものを、空いたスペースに並べるだけではダメなのです。
商品は見せるだけではなく、魅せるようにしなければいけないのです。
<世界の3大料理>
世界には、3大料理と言われるものがありますね。よく、
中国料理は、舌で味わい、
フランス料理は、鼻で味わい、
日本料理は、目で味わう。と言われます。
このように、日本人は目のご馳走を喜ぶ、つまり目で楽しむことを好みます。
人目を引く魅力的な品揃えとディスプレイは、お客様を集める重要な要素となります。
又日本人は、人目を引く7原色(赤、茶、黄、青、紫、白、黒)のうち、赤、黄、青、白、黒を好む傾向にあるため、ウインドウディスプレイの際の商品選びには、これらの色を欠かさない方が効果的です。
<商品構成>
ABC分析というものがあります。要するに、売り場の商品は
A:出しただけで、飛ぶように売れる超売れ筋商品
B:そこそこよく売れる商品
C:あまり人気がなく、売れない商品、に大きく分類されます。
AとBで全体の約80%以上を占めます。「いっそCはやめてしまって、ABだけでいいのではないか」と、思う事があるかもせれません。しかし、それは逆効果になります。
あなたが、口紅を買おうと、化粧品店に来たとします。目の前に人気トップ3だけが並んでいるカウンターと、全色ずらりと揃えているカウンターとあったら、どちらのカウンターで選びたいですか?買い気をそそられるのはどちらでしょう。
いくら人気トップ3と言われても、選ぶ楽しみがなければつまらないのではないでしょうか。自分の目で見て、ほかの色とも比べてみて、自分の肌の色と合わせてみて、初めて納得した買い物が出来るのではないですか。
又、売れにくい色でも、そのお客様にとってはベストチョイスかもしれません。
ですから、品揃えに必ず加える必要があるのです。
Cのグループの商品もおいていなければ、AもBも売れなくなってしまうのです。
これらの商品を負担にならない程度に抑えて在庫に加えるという判断が、店長には求められます。そして、Cのグループの商品は、迷われている方に、「こんなお色もありますよ」と一言紹介してみるとか、ファンデーションと組み合わせて、ギフト付きでお得なセット販売にするとか、古くなってから、それにかかりっきりにならないように、普段から気にかけておく必要があります。
特に関西人は“お得”なものに目がないので、先ほどのような、数量限定のギフト付きとか、期間限定の割引セールというものは、買い気をくすぐること請け合いです。
又、まとめて大量陳列キャンペーンというのもお得感が演出されます。その際のポイントは、全部きっちりと並べるのではなく、少し商品を欠けさせておくといいでしょう。よく売れた後のように見せることができ、ついつい「私も買おうかしら」となります。
並べ方でもう一つの工夫は、色でまとめる、タイプでまとめる、というのもあります。お客様が選びやすくなるので効果的です。
新商品が入荷したら、すぐに前に出しましょう。定期的なレイアウト変更も、お店がリフレッシュします。プチ改装も効果的です。お客様もお店のスタッフも飽きさせないことができます。
<レイアウト>
売り場を作っていくうえでのポイントとなる点がいくつかあります。
入り口は、間口が広く、明るい方が、お客様が入りやすくなります。
天井は、一般家庭のより高く、最低でも2m70cm以上は必要です。(一般家庭が2m40cmほどなので、それよりも高くなければいけません。)
床は、大理石等は高級感が出ますが、固く冷たいために、足が疲れて長居できません。逆に絨毯でも、毛足が長すぎると歩きにくくなってしまいます。スタッフのためにも素材には注意が必要です。
床に段差や凸凹があってはいけません。カートが通れなかったり、お客様がつまずいたりされてしまいます。フラットになるよう確認しましょう。
天井からぶら下がっているものも同様です。どうしても必要な場合は、お客様が気にならないように、大きさや位置を見直しましょう。
通路幅も大切なポイントです。乳母車や、ショッピングカートを押してこられた方が、スムースに通れるかや、すれ違う事が出来るか。そのためには、メイン通路の幅は、1m80cmくらい、サブ通路は1mくらい欲しいところです。
照明は、前方が一番明るく、真ん中はそこそこで、奥が二番目に明るくすると居心地がよくなります。入り口付近は明るく華やかなほうが入りやすく、暗く狭い奥には人は行きたくないから明るくします。
全体の明るさは、高級店は落ち着いたものに、一般的な店舗なら、目立ちすぎずそこそこで、廉価店の場合は、逆に目立つようなきらびやかな照明にするといいでしょう。
<商品の配置>
売り場には、売れるエリア、売れる什器、売れる棚というものがあります。
店長はそれらをスタッフとも共有して把握してください。そこに商品を入れ替えて陳列することで、効率よく在庫を回転させることができます。どの商品も、ゴールデンエリアに登場することを待っています。まんべんなく、こまめに入れ替えを実施しましょう。
又、売上を上げるためには、お客様には1点でも多く買っていただきたいものです。そのためには関連販売が欠かせません。
スカーフを買われる方には、スカーフリングを、ファンデーションを買われる方には、「ご一緒に新しい口紅はいかがですか」と紹介する、或いは使い方や組み合わせ方を提案するしてください。
どの商品にどの商品を関連付けてお客様にご案内するか。スタッフと相談してもいいアイデアが出てくるかもしれません。それらの商品は近くになければなりません。いちいち店の奥まで取りに走っているようでは、「急ぐからもういいよ」と言われてしまい、話になりません。
各々の商品の配置は、スタッフの動き方にも関連してくるので、よく考えよく話し合って変えていきましょう。
これも店長の腕の見せ所の一つです。
以上ざっと店という器について見てきましたが、いかがでしたでしょう。一つでも参考になれば嬉しいです。良ければスキ・フォローをお願いします。次回も引き続き「店長の仕事」シリーズを予定していますおで、よければ見に来てください。よろしくお願いします。