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AIの変わった楽しみ方ーー「日常小説」のすすめ

昨日、何気なく近所の公園を散歩していたら、小さな花火大会に出会いました。秋の夜空に咲く花火には、季節外れの温度があって。思わずスマートフォンを取り出して写真を撮りました。

そして、ふと思い立って、その写真とその時の情景をClaude(AI)に伝えてみたんです。「こんな風景から物語を作れる?」って。

「佐藤君、やっぱり来てたんだ」

優香の声が少し震えた。彼女が見つめる先には、街灯の下で手持ち花火を配っている佐藤の姿があった。
濃紺のパーカーに身を包んだ背中は、去年の夏の花火大会の時より、少し広くなったように見えた。

「見に行く?」健一が声をかけた。
「ううん、いい」

優香は首を振り、線香花火に火を付けることに集中した。
火花が散る様子に見入る彼女の横顔が、何度も見た風景なのに、今夜は特別切なく見えた。

団地の公園では、毎年十月の終わりにこうして小さな花火大会が開かれる。
夏の花火なら派手に恋心を告白する人もいるだろう。でも、この肌寒い季節に咲く火花は、どこか物悲しい。

「あのね」
彼女が口を開いた。
「佐藤君、春からは東京なんだって。美術大学の学科、水野さんと一緒」

ああ、やっぱり。
街灯に照らされた銀杏の葉が、秋風に揺れて落ちていく。
美術部の水野。佐藤と一緒に文化祭の大作を仕上げた彼女の名前が、今は妙に引っかかった。

「...知ってた?」
「うん」

健一は嘘をつくのが得意ではなかった。佐藤が有名美大に合格したことは、もう学校中の噂になっていた。
水野も一緒に合格したことも。優香の第一志望は地元の大学。
そして健一は、いつも通り誰の場所でもない空間に立っていた。

「私ね」
優香が新しい線香花火を手に取る。
「夏の花火大会の時、話そうと思ったの」

火花が、また一つ、二つと散っていく。

「でも、結局言えなくて。そしたらこんな季節になっちゃった」
彼女は自分の手元を見つめたまま続けた。
「なんか、今更な感じがして。それに...」

その言葉は風に消えた。誰かが「そろそろロケット花火やろうか!」と声を上げる。
佐藤が振り返り、こちらを見た。スマートフォンの画面が彼のポケットで光る。
きっとまた、水野からのメッセージだ。優香は慌てて俯いた。

「焼き芋、食べる?」
健一は咽せそうな空気を変えようと、持ってきた風呂敷包みを開いた。
温かい甘酒も用意してきたけど、なんだか今は出しづらい。

「ねぇ」
優香は落ち葉の上に腰を下ろしながら、線香花火を見つめた。
「夏みたいに、パッと咲かないよね。秋の花火って」

その言葉に、何か別の意味が重なっているような気が健一はした。
線香花火が最後の火花を散らす。すぐ近くでロケット花火が打ち上がり、一瞬だけ、彼女の瞳に涙が光った。

佐藤は相変わらず人気者で、次々と話しかけてくる後輩たちに囲まれている。
その手持ち花火の光が、この距離からでも鮮やかに見えた。時々スマートフォンを見ては、誰かに返信している。

「ほら、新しいの付けようか」
健一の手が、少し震えていた。
優香は黙ってうなずいて、火のついた線香花火を受け取った。

焼き芋の甘い香りが、秋の空気に溶けていく。
季節外れの花火は、儚く、そして確かに、今を照らしていた。

公園の隅では誰かが「寒くなってきたね」とつぶやき、少しずつ人の輪が小さくなっていく。
でも二人は、もう少しそこにいたかった。
火花が消えるまで、この秋の夜が終わるまで。

適当に書いてもらった小説にしては、それっぽくないですか?(笑)
ふっと「日常小説」というのもありじゃないかと思いした。
やり方はとてもシンプル:

  1. 日常で心に留まった瞬間を写真や文章で記録

  2. それをAIに渡して、物語化してもらう

  3. 自分の日記やメモと一緒に保存

特に私の場合、Notionで日記をつけているので、その日の出来事と生成された小説を並べて保存できるのです。ノンフィクションとフィクションが共存している、というシュールさがありますね。
「日常小説」を始めてみたい方に、いくつかのヒントをお伝えします:

  • 最初は些細なことでOK

    • 通勤途中の景色

    • 季節の移ろい

  • AIへの指示は曖昧で抽象

    • 感じた雰囲気

    • その時の自分の気持ち

    • 解釈はAIに任せる

  • 生成された物語を楽しむ

    • 必ずしも現実に縛られない

    • 意外な展開を受け入れる

AIを使った創作というと、「完璧な文書を書かせる」とか「コンクールに受賞」みたいな大げさな使い方を考えがちです。
でも、実は日々の小さな気づきや感動を物語に変換する「日常小説」という付き合い方も、ありです。
何を切り取るか、どんな瞬間を選ぶかは、完全に自分次第。その選択自体が、既に創作の一部。
何気ない瞬間から内なる言葉を生み出す。
そして、そんな日々の感動を言語化しましょう。
生きてきた、もう一つの「リアル」が生み出される。

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