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【暇人日記】窓を見るためだけに、関東から広島まで行ってきた

わたしは窓欲が人の何十倍もある。
平均的に、人がどれだけ窓に執着心を持っているのか知らないので、何十倍というのは適当な数字であるが、
人より窓に対する欲求は確実に強いと思う。


「きれいな景色を見たい欲」も人並みに持っているが、
それよりもきれいな景色を、「窓を通して眺めたい欲」がある。


そしてその窓は、絶対に自分が抱え切れる範囲の大きさがよい。
大きすぎると、窓ではなくただの景色になってしまうので、
窓から3歩引いて眺めた時にしっかりと窓のフレームが確認できるサイズがちょうどよい。


まだ自分の窓欲を分析しきれていないけれど、
多分景色を自分のものにできるツールとしての窓なのだろうな、という感じ。
自分でもよく分かっていないから、きっと人に伝わらない気がする。
そのうち自分の窓欲について考えてみたい。暇なので。


窓に対する執着心たらたらの文章をつらつらと書いていても、
きっと読んでくださっている方は楽しくないと思うので、
わたしが交通費と宿泊費合わせて8万円ほどかけて見に行った窓の写真を載せようと思う。

広島県の鞆の浦という場所にある、宿泊施設の窓である。
山と海と街、好きなもの全部がこの窓に詰まっていて、
インターネットの小さな画面上で初めてこの窓を見た時から、行かないという選択肢は考えられなかった。


本当は宿についてから観光などせず、
一日中この窓のそばで景色を眺める予定で行ったのだが、
あいにく季節は夏。
古民家宿であるため、この窓がある2階には冷暖房設備がなく、
実際には汗をだらだら流しながら30分位座り続けることが限界だった。



サウナか何かの修行のようで、
窓のためにこんなに遠く、ここまでのお金をかけた自分が滑稽に思えてもきたが、
鞆の浦も、宿も、窓も、ほんとうに息を呑むくらい美しかったのでやはり窓のためにここにきてよかったと思った。



きっと、この窓に惹かれなければ鞆の浦という場所にも来ることはなかっただろうから、
窓が連れてきてくれたとも言える。


うつくしい街。ポニョの街。
坂道もだいすき
宿から
朝、ベッド。ぬくぬく。
コーヒー淹れる



ああ、よかったなあ、写真を見返してもやっぱりうつくしい。


行ったのは9月で、
でも、とうぶんは自分の中だけに留めておきたくて、
家族にも写真を見せなかったし、旅の話もしなかった。
いつもだったら旅行の写真はインスタグラムに載せて自己満足して終わりなのだが、
なんだかそうすることができないで、この窓を三か月間自分の記憶の中だけのことにしてきた。


でもやっぱりあの窓も鞆の浦も、
本当に本当によかったから誰かに見てもらいたくて、時差投稿。



おすすめの窓があったらぜひ教えてください。





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