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「法廷遊戯」五十嵐律人

 面白かったーーー。
 ◯◯賞受賞とか弁護士と二足の草鞋とかそーゆーのは検索してもらうとして。

 はじめは「ちょっと長いかな…」と思ったけど、終わってみれば全て必要なエピソードだった!第1部はひょっとしたら説明不足の部分もあるかもだけど(私がコミカライズの冒頭部を先に読んじゃったからかもだけど)、エピソードのパーツや登場人物は、うん、過不足ないと言っても良いのではないだろうか(好みの問題もあるし、完璧では無いだろうけど、合格点だとは思う)。

 全くの素人でも(まあミステリー読者という前提はあるだろうけれども)司法制度や法律用語が分かるように書いかれていて、その問題提起を促すストーリーがちゃんとエンタメという、若手(てか新人?)作家とは思えないまとまりぶり。同時に司法や小説に対する熱量ーーーというか「人が生きる」ということに対する決して諦めない光のような決意が、若葉のような瑞々しさで伝わってくる。

 第1部だけでも面白いといえば面白いが、多分2〜3割、概ね読了したと思っても9割しか味わえていないと思う。ぜひ最後の1文まで読んでほしい。その1文を読み終わってあなたは何を思うだろうか。

追記:この土日、発熱で丸っと棒に振ったが、かろうじてこの本だけは(翌月曜日に)読了した。「何も出来なかった…」という喪失感が酷かったのだけれど、コレを読了できたことで「何も出来なかった事はなかったなー」と今日の私は救われている。

20230313

法廷遊戯 https://amzn.asia/d/36geMSF

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