Git 構成ファイルの確認・編集

Git の構成ファイルには次の3種類がある。

1. システム設定ファイル

2. ユーザー設定ファイル

3. リポジトリ設定ファイル

それぞれのファイルについて説明する。

Git 構成ファイルの種類

システム設定ファイル

システム上の全ユーザー・全リポジトリに対する設定が格納される。
ファイルの場所は /etc/gitconfig 。
Windows の場合は C:\Program Files\Git\mingw64\etc\gitconfig 。

システム設定ファイルを設定するには、git config コマンドにオプション --system を指定する。

ユーザー設定ファイル

ユーザー毎の設定が格納される。
ファイルの場所は ~/.gitconfig 。
Windows の場合、C:\Users\〈ユーザー名〉\.gitcocnfig 。環境変数を使って %USERPROFILE%\.gitconfig で参照すると楽。

ユーザー設定ファイルを設定するには、git config コマンドにオプション --global を指定する。

リポジトリ設定ファイル

リポジトリ毎の設定が格納される。
ファイルの場所は 〈リポジトリのフォルダ〉/.git/config 。

リポジトリ設定ファイルを設定するには、git config コマンドにオプション --local を指定する。

Git 構成ファイルの優先順位

ファイルの優先順位は以下のとおり。
数字が小さいほど優先順位が高い。

1. リポジトリ設定ファイル

2. ユーザー設定ファイル

3. システム設定ファイル

たとえばリポジトリ設定ファイルとシステム設定ファイルに同じ設定項目があった場合、リポジトリ設定ファイルの設定が使われる。

Git 構成ファイルの設定を確認するには

git config --list コマンドを使うと、現在の設定値が出力される。
（もし同一のキーが複数出力された場合、最後の値が使われる）

C:\path\to\git-branch> git config --list
http.sslcainfo=C:/Program Files/Git/mingw64/etc/ssl/certs/ca-bundle.crt
http.sslbackend=openssl
core.autocrlf=false
user.name=John Doe
user.email=johndoe@example.com
branch.main.remote=origin
branch.main.merge=refs/heads/main

Git 構成ファイルの場所や設定値のスコープを確認するには

git config --list コマンドにオプションを指定することで、構成ファイルの場所や設定値のスコープを確認できる。

構成ファイルの場所： --show-origin オプションを指定する。
設定値のスコープ： --show-scope オプションを指定する。

例）--show-origin のみ指定する

ファイルの場所が出力される。

C:\path\to\git-branch> git config --show-origin --list
file:C:/Program Files/Git/etc/gitconfig http.sslcainfo=C:/Program Files/Git/mingw64/etc/ssl/certs/ca-bundle.crt
file:C:/Program Files/Git/etc/gitconfig http.sslbackend=openssl
file:C:/Program Files/Git/etc/gitconfig core.autocrlf=false
file:C:/Users/username/.gitconfig       user.name=John Doe
file:C:/Users/username/.gitconfig       user.email=johndoe@example.com
file:.git/config        branch.main.remote=origin
file:.git/config        branch.main.merge=refs/heads/main

例）--show-scope のみ指定する

設定値にスコープ（system/global/local）が出力される。

C:\path\to\git-branch> git config --show-scope --list
system  http.sslcainfo=C:/Program Files/Git/mingw64/etc/ssl/certs/ca-bundle.crt
system  http.sslbackend=openssl
system  core.autocrlf=false
global  user.name=John Doe
global  user.email=johndoe@example.com
local   branch.main.remote=origin
local   branch.main.merge=refs/heads/main

例）--show-origin と --show-scope の両方を指定する

設定値のスコープとファイルの場所が出力される。

C:\path\to\git-branch> git config --show-origin --show-scope --list
system  file:C:/Program Files/Git/etc/gitconfig http.sslcainfo=C:/Program Files/Git/mingw64/etc/ssl/certs/ca-bundle.crt
system  file:C:/Program Files/Git/etc/gitconfig http.sslbackend=openssl
system  file:C:/Program Files/Git/etc/gitconfig core.autocrlf=false
global  file:C:/Users/username/.gitconfig       user.name=John Doe
global  file:C:/Users/username/.gitconfig       user.email=johndoe@example.com
local   file:.git/config        branch.main.remote=origin
local   file:.git/config        branch.main.merge=refs/heads/main

Git 構成ファイルに設定を追加するには

git config --add または git config コマンドを使う。
（--add があるかないかで多少挙動が変わる）

たとえば、キー user.name、user.email を追加するコマンドは次のようになる。

git config --add user.name "New Name"
git config user.email "new@example.com"

--add を付けた場合、指定したキーが既に存在すると同じキーで設定が追加されるので留意してほしい。

たとえば user.name が次のように設定されていたとする。

user.name=john doe

そのときに次のコマンドを実行する。

git config --add user.name "New Name"

すると Git 構成ファイルは次のようになる。

user.name=john doe
user.name=New Name

Git 構成ファイルの設定を変更するには

git config コマンドを使う。
該当するキーがあればその設定値が書き換わる。なければ設定が追加される。

たとえば、キー user.name を変更するコマンドは次のようになる。

git config user.name "New Name"

Git 構成ファイルから設定を削除するには

git config --unset コマンドを使う。

たとえば、キー user.name を削除するコマンドは次のようになる。

git config --unset user.name

次のように同じキーが複数存在する場合は「warning: user.name has multiple values」となり削除できない。

user.name=john doe
user.name=New Name

特定の値を削除するにはキーとその値を指定する。

git config --unset user.name "New Name"

すべて削除する場合は --unset ではなく --unset-all を使う。

git config --unset-all user.name

参考ページ

Git - 最初のGitの構成