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どうしようもなく好きで好きでたまらないという純粋な想いが道を極める原動力になる

『軍師なんてものはどうしようもなく戦が好きで、常に頭の中ではまだ見ぬ敵と、まだ見ぬ苛酷な戦を戦っているんだろうが!!!』

(『蒼天航路』郭嘉/王欣太)

蒼天航路の郭嘉の台詞より。

ひとつの事を極めたり、数多の英傑達の中で抜きん出た存在になるためには、取り組んでいる物事に対してどうしようもなく好きで好きでたまらなく、年中無休で考え、戦い続けてるような状態でなければ、きっと真なる頂にはたどり着かないのだろう。

この『純粋な想い』こそ、最強のエンジンであり最高の原動力となり得る。

斯くいう郭嘉も作中では『純粋軍師』と称されている。

官渡の戦いで勝利し河北一帯を治めた事により強大となった曹操陣営で他の軍師は後進の育成等に努めていたが、郭嘉のみは安寧に坐せず、曹操陣営の勢力拡大のため次なる軍略を描いていた。
(決して人材育成が悪いわけではなく、勢力拡大課程に於いてはとても重要な事である)

その中で郭嘉は軍略を司る者として、主君たる曹操の目指す社会実現のため、最短で最大限の成果を得る戦略を練っていたと云え、Visionに対してPassionを注ぎ込み、Missionを実現しようとするアントレプレナーでありフロントランナーであったと云える

他の優秀な軍師が人材育成に勤しむ中、郭嘉は曹操の目指す社会実現に於いては、まだまだ打倒さなければならない強敵が多く存在し、そのためにも北方民族の騎馬軍団が必要である事を熟知していた事から北伐を進言する。

理想の状態像に向け、長期計画からブレイクダウンしたプランを元に、中期→短期のミッションを組み立て確実にこなしていく…一見当たり前に思える事だが国家レベルで粛々と進めていく郭嘉に対し、後に曹操は『配下から王たる器が生まれた』と最大限の称賛を与えている。

郭嘉が進言した北伐は大成功を収め、曹操陣営は最強の騎馬軍団を手に入れる。その後の曹操陣営の更なる隆盛はこの騎馬軍団が大いに役立つのである。
郭嘉の戦略は単に目先の戦だけではなく、曹操陣営の未来まで決定付けたと言えるだろう。

『純粋な想い』

徒然と述べてきたが、郭嘉の様に何かを極め、大業を成すためには、どうしようもなく好きで好きでたまらないという『純粋な想い』が必要である事が伺える。

『好きこそものの上手なれ』とよく云ったものである。

何事に於いても、いま自分が取り組んでいる物事に対して、最大限の興味関心愛着を持つことが、その道を極める事に繋がると云えるだろう。

組織に於いてジェネラリストはもちろん必要だが、特に群雄割拠の乱世に於いてはスペシャリストの重要性は非常に大きい。
(現代も充分混沌とした乱世と云える)

個人的には、ひとつのスペシャリストが周囲のエンパワメントによって応用性が増える事でジェネラリストに転化する課程が、理想の組織を形成すると考える。
(もちろん業界業種にもよるが)

そのためにも、どうしようもなく好きで好きでたまらない状態になっているということは、スペシャリストになるための最低限の条件であるとも云えるだろう。

もし万が一いま取り組んでいる物事が好きな事ではなかったとしても、好きになるよう努力することが上手くいくための方法である。
もし上手くいっていないと考えるのであれば、郭嘉のようにミッションに対してパッショナブル取り組めているか客観的に確認してみる事が必要かもしれない。

もちろんこれらは決して他人に強要するものではなく、自戒や内省にのみ課するものである。

目指すべき理想の状態像に向け、自ら逆境に飛び込み続けるなど、常に好きな事に没頭できる環境を如何なく造り出し「いま出来る最大限の努力」を惜しまず行動し続けて参りたい。

最後に、かの影山ヒロノブも『WE GOTTA POWER』(ドラゴンボールZのOP)の中で
『夢中になれるものがいつか君をすげえやつにするんだ』
と歌っているのをふと思い出したので付け加えとく。