若い自分が書いた謎ポエムの出来が謎
日経ウーマン 2019年6月号「なりたい私にどんどん近づく!ノート&メモ術」を買った。別にいい感じのメモが取りたいから買ったのではなくて、付録の「日経WOMAN オリジナルマネー手帳」を1年前から使っているので付録欲しさに買っただけだ。そのついでに日経ウーマンも読んだ。
内容は「メモを取れば思考が整理されるし、目標にも近づきやすくなる!メモを取りましょう!」みたいな話で、仕事効率化、TOEICの勉強法、デザインのアウトプット、家計簿なんかのメモ例が載っていた。あとは、いつもの日経ウーマンだ。月収20万円で1000万円貯めようとするし、すぐ断捨離しようとするし、つみたてNISAを勧めてくる。ブレない。コンセプト通り。好きだ。
そういえば、わたしは大学時代よくメモを取っていたというか、思ったことをすぐに書き留めていた。で、見返した。1年に1冊ごと変えているそのノートには、自我が爆発しているわたしの気持ちやら何やらが1年ごとにギュッと詰まっており、一気に読むと胸やけする。1年生のころは若々しすぎて目が痛いが、3年生くらいになると面白くなってくる。特に大学4年生の時は同じノートに授業内容と変なポエムと落書きを一緒に書いていたのでボリュームがすごい。ドライブ感しかない謎ポエムが載っていたりする。自分でも全く覚えていない。ちょっと載せます。
”2階のブランド売り場に置いてある靴は自分に合う足を探し求めて徘徊しつづける。シャンデリアを破壊せぬと願う靴べらは明日の記憶を守ろうとしている。
「私は私だ」「本当に」「まごうことなき」
げらげらと笑うかっぷくの良いおやじは私の手首を調整してくれる。サイレンのような泣き声は彼の息子のものだ。愛していると一言、言ってくれれば、あまり悩み、考えることもしないのに。愛は思考を停止させる。愛は思い出を肯定し、未来を不安定にさせる。
「名前を呼んで」「名前?」「うん」「名前、あるの?」
グラグラと揺れるビルディングの上で私の父は部下たちに指示する。(少し、黙って。)
「いかがでしょう、私とか」「うーん、遠慮しておく」「(バカな!?)」
中途半端な夢を追いかける恋人たちよ。君たちの純情は果汁にすると何%だ。横顔にキスしたい。あなたの骨格は砕いて飲んでしまいたいくらいに好きよ。骨をくださいな。生理臭と唾液の臭いは、浄化しておきます。
父よ、母よ、私の服は私で買います。クリーニングにはこまめに出したい。お金は払うよ、割引券使ってね。さようなら、青春と、純情と、愛すべき人々。
頭が痛いの。どうしたら止まるの。”
えーーーなにこれ。怖い。自分で入力しながら「これ本当にわたしから出てきた言葉?」という気持ちになった。何に影響されたんだろう。この時期何読んでたっけ?
特に「自分の服は自分で買います」は他の箇所にも書いてあり、相当ハマっていた様子がわかる。
”私の服は私で買います。9880円のコートはぐるぐるとタイムセールの中で踊り狂う。皆大丈夫だなんて云って、嘘なのでしょうネ”
この「云って」とか「ネ」も何かに影響されているとしか思えない。なんだろう。この時期、丸尾末広とか上村一夫を読んでいた記憶はあるけど、そこから来たのかな?
あとは謎の絵もある。
これはたぶんだけど、羽生選手が世界選手権に出てたことと、よく知らない人たちと上野動物園に行ったから、なんらかのきっかけでそれらが合わさってできたんだと思う。
これは本当にわからない。「こんにちは 今日のごはん さばのみそに」って何。この女の子は誰。あとクマの顔が狂ってる。ちなみに下に貼ってあるのは、「シールを見つけたらノートに貼る」という習慣があってその一環で貼ったもの。今は別のノートにペタペタ貼ってるけど、当時はメモとシールは同居してた。
ちなみに、卒業してからのノートもちゃんとあって、それにはいろいろやりたいこととか、英語の勉強とか、ダイエット記録とかが載っているんだけど、紙質とノートの開き具合が微妙だったので書くのをやめてしまったみたいで、全体的にノリが悪い。これは全然面白くなかった。
で、「わたしもノートにいろいろ書いて夢を叶えたろ」と思い、ノート生活を再開した。ロフトでちょっと高めの分厚いメモ帳を買って、いろいろ書いてみた。
早速荒れてる。「人殺しても生きよう」ってなんなの、絶対世界が終わるちょっと手前の標語じゃん。
せっかくメモを取ろうと思っても、こんなノリだから、夢叶うとか、アウトプットとか、勉強になるとかはあんまり関係なさそうだけど、まあ、メモ生活をはじめました。
何にもならなくても、5年後とかにまた同じように「こんなこと書いてたっけ……」とどこかで晒す気がする。日経ウーマンは「そういうメモを書いてほしいんじゃないんだけどナ……」と言うかもしれないけど、この謎ポエムもメモだから出てきたものだと思うし、それを大事にしていきたいよ。自分の服は自分で買うし、自分のメモは自分で書くし。
応援があると人は強くなる。例外なくわたしもそのはずです。