賑わいのある美術展(開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ)
開発好明さん、一見風変わりなアーティストの個展。
アートを通じて学校や地域でのワークショップや被災地での展覧会など社会活動的なことも多くやっているそう。
展覧会概要
名称:開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ
開催場所:東京都現代美術館(東京・江東区三好)
開催期間:2024/8/3(土) ~ 2024/11/10(日)
展覧会公式サイト:
作品リスト:
感想
本展覧会の入り口で、いくつかのアイテムが入った青い袋を手渡される。これらのアイテムは参加型の作品で使用するもので、本作品はその中の一つである。
展示スペースの片隅に、発泡スチロールが積み上げられて出来た彫刻作品がある。そして鑑賞者は青い袋から発泡スチロールの切れ端を取り出し、それを投げる。カラカラと音がして山が崩れ、発泡スチロールの彫刻は姿を変える。
棚に木製のオブジェが並んでおり、鑑賞者は好きなものを1つ家に持ち帰ることができる。その代わり、持ち帰ったオブジェを自宅に飾り写真を撮って、その写真を開発に送る。
開発の製作したオブジェと、鑑賞者が撮影した写真を交換することで完成する作品。
タイトルにある「147801」は、ピカソが生涯で製作した作品数といわれる「147800」を超えるという意味があるらしい。
夥しい数の小さな戦闘機の模型が並ぶ。
荒廃した土色の風景に生気は感じられず墓場を連想させる。
反戦デモで使用されるプラカードが小さなステッカーになっており、鑑賞者はそれを壁に貼る。
かなり社会的で重いテーマではあるが、子どもたちが楽しそうにステッカーを貼る様子は楽しそうで、そして少しずつ反戦への想いが壁に蓄積する。
モンドリアンやポロックの作品をオマージュしたでかい靴下とシャツ。
まとめ
特に日本では、美術館といえば静かにじっと作品と向き合って鑑賞する厳かな場所というようなイメージがあるが、本展覧会はそれとは異なる雰囲気だったのが印象的だった。
子供も退屈した様子はなく楽しげに作品に参加していたし、それに釣られてなのか大人もおしゃべりしながらワイワイと鑑賞していた。
重いテーマで尚且つ見た目もとっつきにくい作品だと、観る人を選んでしまう。それだと伝えたいことも伝わらないので本末転倒だったりする。本展覧会では、アート特有の敷居の高さみたいなものが良い意味で無くて、そういう作家・作品の必要性を感じた。
鑑賞日:2024/9/22(日)
所要時間:0.5h
個人的評価:★★★☆☆