
#9 厨房のありすを研究者が見てみた②
おはようございます~!
絶賛論文作成に追われていますが、今週も厨房のありすを普通に楽しく見てしまいました笑
普通に料理×化学のドラマとして見始めていましたが、人とのかかわり方も考えさせてくれるなあとしみじみ。
今日も管理栄養士の立場から緩く説明していきたいと思います。
TVerオリジナルの方はあの動画内でくわしく解説されていたのでそれ以外の視点から解説していきますね~
1.卵黄と卵白の凝固温度の違いについて
目玉焼きを焼いたときに、白身が焼けているのに黄身がなかなか焼けてないってことありませんか??
これには卵に含まれているたんぱく質の凝固温度が異なるためなのです。
下の表をみるとわかりやすいかと思います。

多分ここまでは知ってる人が多いと思うのでさらにもうひと段階掘り下げます。卵白の凝固温度だけ幅広いなと思った方いませんか??実は、卵白のたんぱく質には様々な種類があり、それぞれ性質が異なるのです。

この卵白の凝固温度が種類によって異なるため凝固温度にも幅があるのです。
ちなみにこの卵白、それぞれおもしろい性質があると思いませんか??
僕個人の話にはなりますが、目的に合わせた卵白のたんぱく質だけ取り出せるような研究もしていました。(かなーり難しかった)
2.カテコールアミンってなに??(タウリンとの関係)
カテコールアミンの役割としては、血圧の上昇、心拍数の増加、グリコーゲンの分解促進、インスリンの分泌抑制などさまざまな反応を引き起こします。このカテコールアミンの中にはアドレナリンなどが含まれています。
カテコールアミン自体は決して悪いものではないのですが、アドレナリンが含まれているということで、戦闘態勢、すなわち活発的になります。(専門書では車のアクセルとたとえられています)
勉強や仕事を頑張りたいときは全然いいのですが、リラックスには向かないわけです。
そのためありすちゃんは、精神を落ち着かせてもらおうとこのカテコールアミンの放出を抑えるタウリンが含まれているカキを出したというわけですね!(もちろんカキ自体にも疲労回復の効果があります。)
3.トリプトファン→セロトニンの神経伝達物質に関して
セロトニンは「しあわせホルモン」と呼ばれているのですが、実はトリプトファンから作られるのです。
しかし、トリプトファンは「必須アミノ酸」と呼ばれている体内で作られないアミノ酸なので食事から摂取する必要があります。
ありすちゃんも話していた乳製品にはトリプトファンが多く含まれているため、体内でセロトニン、加えて睡眠ホルモンのメラトニンの生成も促すのです。

【トリプトファンが多い食事は以下の通りです!】
・魚類・魚類加工品
→かつお・まぐろ・鮭・さば・あじ・さんま・煮干し・かつお節 等
・肉類(食肉加工品含む)牛肉(特に赤身)、豚肉、鶏肉、ハム・ソーセージ 等
・乳製品
→牛乳・チーズ・ヨーグルト
・その他
→大豆製品・ナッツ類・ごま・卵・春菊・ほうれん草・食パン・白米・アボカド・バナナ 等
4.エイコサペンタエン酸(EPA)について
最初は脂質代謝の話もしようかなと思ってたのですが、これかなり複雑でわかりにくいんですよね…
なので、EPAの役割について解説しようと思います!

まず脂肪酸は脂質の材料の一部です!(意外と大事)
脂肪酸の中には上の図のような区分があり、EPAは魚類を中心に含まれています。
EPAの働きは以下の通りです!
1.腸管からの中性脂肪吸収を抑制
2.肝臓での過剰な中性脂肪合成を抑制
3.余分な血中の中性脂肪代謝を促進
漢字多くて難しいよ~ってなるかもですが、
体内で脂肪が吸収や合成によって蓄積されるのは嫌ですよね、それを抑制するのが1と2です。3の代謝は簡単にいうとエネルギーに変えることです。中性脂肪をエネルギーに変えてくれる役割を持ちます!
最後に
最後まで見てくださりありがとうございました!
個人的にEPAなどは自らも脂肪酸なのに脂肪の合成を抑制するのはおもしろいなと思ってます!
拙い文章で恐縮ですがなにか質問や疑問があればわかる範囲で答えますのでよろしくお願いいたします!!
(れんれん25歳おめでとうううう)