見出し画像

30歳、初産のわたしが、臍帯血保管を決めたわけ。(出産前編)

30歳の誕生日を迎える直前の、2021年6月末に第一子の妊娠発覚。その直後からずっと頭の片隅にあった臍帯血(さいたいけつ)の保管。妊娠9ヶ月に差し掛かる頃についに契約を決めました。子どもが成人するまでの20年間の保存で約30万円という費用や、今後の臍帯血活用の用途には色々と未知数な事がありながらも、なぜ契約を決めたのか?また検討に際して私自身が疑問に感じたことなどをまとめたいと思います。

※記事の内容は厚生労働省ならびに民間臍帯血バンク(ステムセル研究所)の情報を元にしていますが、個人的な主観や解釈も含まれますのでご注意ください。

そもそも、臍帯血ってなんだ?
ものすごくざっくり説明すると、臍帯血とは母親の胎盤と赤ちゃんを繋ぐ「へその緒」に含まれる血液です。なぜこの臍帯血をわざわざ保管するのか?というと、血液をつくるもとになる「造血管細胞」が豊富に含まれている血液で、自閉症スペクトラム症候群や脳性まひなど、様々な病気や疾患への治療が期待されているから。

私がこの「臍帯血」という言葉を知ったのはもう20年以上も前。当時小学生で、日曜の夕方に某国民的アニメを見ている合間に繰り返し流れていた医療機器メーカー、ニプロのCMでした。

陣痛の合間、分娩室に向かうお母さん。手を取る看護師に「臍帯血、使ってくださいね。」と息も絶え絶えに伝えるその姿がなぜか脳裏に焼き付き、「なんだかよくわからないけれど、大人になったら私も絶対これを言おう」と幼心に思っていました(笑)

それから20年後、妊娠がわかり、そういえば…と思い臍帯血バンクについて検索したところから悩みまくる日々の幕開けです。

最初に手に入れた情報としては、臍帯血バンクには、「公的」と「民間」の2つの種類があること、また、採取できるタイミングは出産後の一度きりであるということ。とはいえ、すべての産院がこの臍帯血保管に対応しているわけではなく、私が通っている産院では公的な臍帯血バンクへの寄付は対応外、とのことでした。(公的バンクと提携している産院は全国でも非常に限られているようです)
多くの可能性を持ちながらも、何もしなければ破棄されてしまうらしいわたしの臍帯血。それってやっぱりちょっと気になる。そこで、民間の臍帯血バンクに絞って検討を進めることになります。

民間バンクへの保管を臨まれるor検討される多くの方は、おそらく「将来、我が子に何かがあった時の備えとして」または「産後一度きりのチャンス、後悔したくないから」などの理由が決め手になるのではないでしょうか。
ただ、検討に際しおそらく最も大きな壁になるのが、その保管費用。民間臍帯血バンク(2022年1月現在、国内で国の認可を受けるバンクはわずか2社のみ)は、最もベーシックな「臍帯血保管プラン」だけでも、10年なら約20万、20年なら約30万というコストが発生します。(ステムセル社の場合)

ただでさえ、出産準備のための物品購入や医療費で支出が多くなる産前。かつ、今後どのように医療が発展し、保管した臍帯血が活用されるか未知数な上、そもそも「使わずに済む」ことが我が子にとっては最も良いわけで。妊娠中は考えることばかりで頭がパンクしそうな中、なかなか気軽に決断できないですよね…

それでもなぜ、保管を決めたのか
最終的に決め手になったのは以下2つの理由でした。

①子の成長に伴って出てくるであろう、様々な不安に対するお守りとして
妊娠してみて初めて分かったのですが、我が子に関することっていつまで経っても不安がつきものですよね…妊娠がわかって最初の胎嚢確認から心拍確認、その後はつわりによる栄養不足や9週、22週の壁などなど…「安定期」が妊娠初期におけるひとまずのゴールにはなるわけですが、実際安定期に入っても心から安心することはなかったように思います。そして妊娠9ヶ月、白菜サイズの我が子をお腹に迎えた今でも「無事に生まれてきてくれるだろうか」という不安は抱えたままです。(とはいえ、最近は力強い胎動で存在を知らせてくれるので、心強くもあるのですが)

無事出産しても、その後の成長過程でどんなことが起こるかは誰にもわからない。元々心配性な性格もあり、母親になるにあたってこの不安とは長い付き合いになりそうだなと考えたとき、部分的にでも打ち手を残しておき、心のよりどころを作りたかった、というのが一番の理由でした。

②赤ちゃん本人以外にも、兄弟・家族に何かあった際の備えになる可能性
臍帯血はその持ち主である子ども本人の治療に有効であることはもちろんですが、最近ではその兄弟や家族に対する治療にも期待が高まってきていることも大きな理由の一つになりました。2022年1月には、脳性まひを持つ子どもの治療にその兄弟の臍帯血が利用され、症状の改善を認める研究結果も発表されています。
今後、二人目についても検討したいと思っている我が家において、これらのニュースは非常に魅力的なものでした。

決して安くはない保管費用ですが、一括で支払う以外に分割で少しずつお支払いする方法もあり(しかも2022年3月末までなら分割手数料が無料というのも魅力的だった)今後受け取ることができる児童扶養手当とも相殺できるな、と考えています。

(補足)本人の白血病の治療に、保管した臍帯血を用いることはできない
様々な可能性を秘める自己臍帯血ですが、できないことも。白血病などの血液疾患に対する治療には使うことができません。
公的な臍帯血バンクにおける臍帯血の主な活用用途は白血病をはじめとした血液疾患で、私自身もこのイメージが非常に強くあったので当然これらの治療にも活用できると思っていたのですが、これは間違いでした。

というのも、そもそも本人の血液細胞に何らかの異変があり白血病を発症しているので、治療にあたっては第三者の、異変を持たない細胞でないと意味がないのです。(すごーく乱暴な言い方になってしまいますが…まあそりゃそうだよねと)

民間バンクへの保管を考えるにあたり、Webを中心に様々な方の意見に触れる中で「わざわざ民間バンクに保管しなくても、公的バンクでのドナー適合率は〇%(結構高い数字)もあるんだから…」などという意見もあったのですが、そもそも本人の臍帯血を用いて、再生医療や細胞治療を目的とする民間バンクと、適合するドナーの臍帯血を用いて血液疾患の治療を目的とする公的バンクとでは役割が異なるのだ、と最終的に私は理解しています。

これからのこと
先日、無事に契約書が受理されたとの連絡を受け、さい帯血採取キットがステムセル社より自宅に送られてきました。
(ティッシュケース2箱分くらいの紙でできた箱/常温保存でいいらしい)
入院する際にこれを持って産院に行き、その後の回収はステムセル社の担当者さんが直接、産院に来てくださるそうです。(病院により、これらの手順は異なる可能性もありますので、ご注意ください。)産後にこれらの一連の流れもまた記事にできたら、と思いますので、もしご興味のある方は見に来ていただけたら嬉しいです。(あと、いざ契約するにあたってもベーシックプランとか、プレミアムプランとか色々あってそこでまた悩んだので、そのあたりも記事にしたい…)

もし今後、臍帯血保管を検討されるにあたってこの記事が少しでもお役に立てていればとっても嬉しいです。
ちなみに、ステムセル社での保管を検討される場合、既存会員からの紹介キャンペーンがあります。紹介した人(わたし)、された人(みなさま)それぞれに1万円のメリットがあるので、もしご興味がありましたら(かつ、私が1万円得をすることをお許しいただけましたら…)note下記「クリエイターへのお問い合わせ」からお気軽にメッセージください。
すべての妊婦さんが悔いなく、安心して出産を迎えられますように、なむなむ…






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?