K's News Recap #7 : 気候変動と私たちの暮らし
解決に向かうどころか、勢いを増す気候変動の脅威。世界の平均気温は、パリ協定で定められた「1.5度目標」をすでに超え、産業革命前より1.6度上昇しているとの報道もなされました。
「世界の平均気温が1.5度上がったところで、大したことないんじゃない?」と思う方も多いかもしれません。しかし、世界の平均気温が上がることで、地球全体の気象に変化が起こり、気候変動が加速します。すると、私たちの暮らしに甚大な影響を引き起こし、これまで通りの暮らしを送っていくことが困難になる可能性もあります。
そこで今回は、「気候変動と私たちの暮らし」というテーマで、気候変動が加速すると、私たちの暮らしにどのような影響があるのか、わかりやすく解説されている記事3本を厳選しました。「気候変動が進むとどうなるの?」と気になっている方はぜひチェックしてみてください。
気候変動と私たちの暮らしに関する厳選記事3本
1.ロサンゼルス山火事、ハリウッドでも 大規模災害を宣言
(日本経済新聞)
ロサンゼルスで大規模な山火事が発生。周辺住民の方は避難を余儀なくされています。現在、ロサンゼルスに限らず、世界中で山火事の被害が広がっており、その理由として、気候変動が言及されています。気候変動の脅威が身近に迫ってきていることがわかる記事です。
2.海の中に広がる「がれきの山」 気候変動でサンゴの白化が常態化か(朝日新聞デジタル※有料)
ダイビングやシュノーケルで美しい景色を見せてくれるサンゴ。そのサンゴが白化し、海の状態が健全ではなくなる危機的な状況が常態化しているとのこと。この要因としても気候変動が言及されています。本記事では、サンゴの保全が気候変動対策 に寄与する可能性にも言及されており、気候変動と生物多様性の関連についても考えられるおすすめの記事です。
3.地球温暖化に対応した新品種が生産増!? これからりんごはどう変わる?
身近な果物であるりんご。気候変動による気温上昇で、りんごの生育や、甘さ・酸っぱさ・硬さに影響が出ています。色づきが悪くなり、見た目と味にギャップが生まれ、品質が落ちたと思われてしまうことも。そのような中で、長野県では、気候変動に「適応」した新品種を作り、対策を行っています。気候変動による暮らしの危機だけではなく、どのように対策していくことができるのか知ることのできる記事です。
時間があるなら合わせて読みたい
9月の能登豪雨、地球温暖化の影響で雨量15%増 観測史上1位も(朝日新聞デジタル)
昨年9月に石川県の能登半島を襲った豪雨。その雨量が「温暖化の影響がないと仮定した場合より15%程度多かった」とのこと。気候変動が私たちの暮らしに与える影響の一例について簡潔に理解できる記事です。
▼ナビゲーターの視点
今回はいつもとは少し違い「気候変動が加速すると私たちにどのような影響があるのか」という視点でニュースを選んでみました。「気候変動はなんだか大変そうなもの」という認識がある方は多いように感じていますが、実際に気候変動が進むとどのような影響があるのか、私たちの暮らしにどのような影響が出てくるのかまで理解している人は少ないように思います。
例えば、気候変動によるサンゴの白化は、海とともに暮らす島国の人、ダイビングが趣味でよく海に潜る人、旅行中にシュノーケルを楽しむ人など、さまざまな立場の人に影響を与えます。気候変動は、災害を頻繁に引き起こして私たちの暮らしを壊していくだけではなく、観光やレジャー、趣味といった楽しみも奪っていく可能性があります。
今回紹介したのは、ほんの一例ですが、気候変動が直接的・間接的にどのような影響を私たちに与えてくるのか、日頃のニュースからぜひ意識してみてください。
▼ナビゲーターの余談
「気候変動対策」というと、二酸化炭素などの温室効果ガスを減らす対策を思い浮かべる方が多いと思います。これは「緩和策」といい、気候変動による影響を抑制する対策です。気候変動対策にはもう1つ、「適応策」というものがあります。「適応策」では、避けることができない気候変動の影響に対して、その被害を軽減するために行う対策です。イメージしやすいものだと、熱中症の予防も適応策に分類されています。