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K's News Recap #1 : 生物多様性条約COP16の成果と課題

こんにちは、矢動丸琴子です🐧
「K's News Recap」という名称で、キュレーター記事をはじめます
ハイライトしたい環境系のニュース記事を、テーマごとに厳選してお届けしますので、ぜひご覧ください🌱

今回は生物多様性条約COP16について。

南米コロンビアで10月に開催された生物多様性条約のCOP16。会議が「閉会」することなく「中断」となったことで話題となりました。2022年にカナダで開催されたCOP15で「昆明・モントリオール世界枠組(GBF)」が決まってから初のCOPとなった今回。

2030年までに生物多様性の損失を回復させるネイチャーポジティブ」に向けて、COP15で具体的な検討を先送りした「電子化された遺伝情報の扱いや利益の配分」や、昆明・モントリオール世界枠組の進捗状況の評価、各国の国家戦略(NBSAP)の提出、目標実施のための資金拠出など、主要な議題が盛りだくさんでした。

今回は、生物多様性条約のCOP16の結果や動向が掴みやすい記事を3本厳選しました。「忙しいけど、国際動向は簡単に把握しておきたい!」という方におすすめです


生物多様性条約のCOP16の結果の厳選記事3本

1.生態系保全の指標案は採択至らず COP16延長、退席者続出(共同通信(Yahoo!ニュース) )

COP16での主要な成果と中断の理由などが簡潔にまとまっています。ひとまずこの記事だけ押さえておけば、「一言でいうとCOP16はどうだったのか」を知ることができます。

2.生物多様性COP、成果の一方で議題持ち越しも 会場去る国が相次ぐ(朝日新聞 ※有料)

COP16で何が決まり、何が決まらなかったのか。意見の隔たりはどのようなところに合ったのか、などが具体的かつ簡潔にまとめられている記事です。特に今回の焦点であった「遺伝資源に関するデジタル配列情報(DSI)」や「TNFD」といった企業にも関係がある資金の観点について詳細に記述されています。概要的な内容ではなく、もう少し踏み込んだところまで知りたい方にはぜひ読んで欲しい記事です。

3.生物多様性COP16、2030年世界目標の実施加速へ採択できず異例の「休会」――「先住民地域共同体」の役割強化などに成果も(Sustainable Brand Japan)

「新たな目標の進捗状況の評価」「各国の国家戦略の提出」といった異なる切り口からのCOP16の結果についてまとめられている記事です。また「先住民地域共同体の作業部会の常設化」にふれられているところも、新たな視点が得られると思います。

時間があるなら合わせて読みたい

COP16の結果について(環境省)

https://www.env.go.jp/content/000263053.pdf

環境省から発表されている公式のCOP16に関する報告です。PDFで全6ページ。専門用語なども含まれているので初心者の方には少し難しいかもしれませんが、「もっと知りたい!」という方におすすめです。
私のXでは、リポスト41、いいね149、保存69、インプレッション1万以上、とみなさんの高い関心が伺えました。

▼ ナビゲーターの視点

COP16が「中断」となったのは驚きましたが、実はCOP15もフェーズ2として一部持ち越された経緯もあるんですよね。今回の目玉となっていた「遺伝資源に関するデジタル配列情報(DSI)」は複雑な内容で、交渉の際に対立が目立つ議題の1つです。
 対立が激しい議題で合意に至った成果は評価できると思いますが、ここに時間を割き、他の主要議題で時間切れとなってしまったのは少し残念です
 
 2030年まであと約5年。「ネイチャーポジティブ」に向けた国際的な進捗や、各国の取り組みに期待したいです。

▼ ナビゲーターからの余談

私はCOPの話題を投稿する際、「生物多様性条約COP」「気候変動枠組条約COP(もしくは気候変動COP)」など、条約名も併記するようにしています。(文字数の制限がある場合を除く)
 これには明確な理由があって、「COPとは条約に参加する国による会議の名称」であることを強調したいからです。

 「COP=気候変動」との誤解が多いと感じていますが、実はそうではないんですよね。実際に、今年の12月には「砂漠化対処条約(UNCCD)」の「COP16」がサウジアラビアで開催される予定です。

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Kotoko Yadomaru
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