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多様性の中で生きる僕らの音楽のスゝメ④

 こちらは前回です。乱筆乱文ですがよろしくお願いいたします。

複雑化する立場①

 最近「音楽何聴いているの?」という質問に上手く正確に答えられる人は果たしてどれぐらいいるのだろうか。今日も日々誰かの手によって新しい音楽は大量に作り続けられている。その潮流の一つとしてデスクトップミュージック(以下、DTM)が挙げられる。

 DTMの普及は音楽制作者を爆発的に増やした。その普及に一役も二役も買っているのがヤマハ株式会社のVOCALOIDである事は否めない。

・ソフトウェアが奏でる時代
 動画共有サイト躍進のシンボリック的なパーツでもある初音ミクを中心としたVOCALOIDの普及は、今までDTMに触れてきた音楽制作者は勿論のこと、今まで音楽に触れてきてなかった層までも取り込み、そこから新たなる音楽家達が生まれた。
(この層は他にもゲーム関連から派生したBMS(Be-Music Script)や東方Projectもあるが、一般層への影響等を考慮した上での上記とする。)

 一大ブームの陰では(非常に日本人らしい)新たな特異点も発生している。VOCALOIDコンテンツで作られる多くの作品…その流れや好みは個人によって[異なる]。

 試聴側の[VOCALOID]というソフトウェアや曲に対しての概念や受容の体が[違う]のではなく完全に[異な]ってしまうのだ。そして試聴側の具体的な方法や体を挙げると、

・純粋に音楽と捉える
・VOCALOID(例:初音ミク等)、という歌手又はアイドル、キャラクターとしてのコンテンツ
・動画やPVとしてのコンテンツ
・ブームや歴史上の一つとして、他

 と様々である。そしてこの受容方法の流れは海外にも派生し、主要都市でライブを成功させるほどの市場を形成させることとなる。

 別の切り口から見てみると、VOCALOID=ジャンル、となる理由の一つに、

 VOCALOIDを使用して音楽を作成すれば、VOCALOIDというカテゴリーに属してしまう(所謂ボカロ曲)

という点が挙げられる。
 作曲家も限り無く増えた(そして現在も増加の一途を辿る)が、その根底のジャンルは多岐に渡る(のだが、具体例を挙げることはここでは割愛させて戴く)。

 そしてDTMソフトウェアである、ということは使用する人も様々、ということだ。

・イラストレーターのかんざきひろ氏はHSP(鼻そうめんP)名義での活動。
・ムーンライダースの岡田徹氏はユニット、plusico (岡田氏の名義はThomas O'hara)で初音ミク plays 月光下騎士団(ムーンライダーズ)をリリース。
・JOJO広重氏率いるノイズバンド、非常階段は初音ミクをフィーチャーし、ボーカルに白波田カミンを迎え初音階段を結成。
・BUMP OF CHICKENはkz(livetune)と共にBUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKUとして楽曲(ray)を発表。
・お笑いコンビ、霜降り明星のメンバー、粗品はVOCALOIDを使用した楽曲をYouTubeにて発表し、話題を集める。

 …等々。著名人やミュージシャンがDTMソフトウェアを扱うことについて普通にあることなのだが、得てしてVOCALOIDを使用した際の反応は(良くも悪くも)大きい。かつてここまで注目を集め、名称が冠となるソフトウェアが存在しただろうか。

・特殊が故の立場
 楽器としてのVOCALOIDの立ち位置として(極論ではあるが)、某有名ギターメーカーの様な[世界的に有名な名器]になり得る部分もあると思う。
 勿論、各方面からの厳しい反応や追及は予想されるのだが、

・ソフトウェアも楽器である
・世界的なブランド名や楽器(ソフトウェア)単体への共通認識がある
・"それ"を扱う者や事に、熱狂的な信者が表れる

 まずはここに、楽器としての認識に差異は生じない。だがその意識を阻む問題として、擬人化されたキャラクターの存在が大きく出てくる。─人の形を取ったが故に人から認められなくなるのは何という皮肉だろうか(だがそれ故にレディー・ガガのオープニング・アクトを務めるなど従来の楽器では不可能な一面もあるのだが)。

 日本独自の需要としては動画配信サービスからの人気コンテンツとして「歌ってみた」や「踊ってみた」があり、ここから更にステップアップして会場を埋め尽くす程の実力派ボーカリストや有名ダンサーを輩出のもコンテンツの枝葉としての特徴だろう(蛇足だが更にはPVやデザイン、イラストのコンテンツなどで現代を担うイラストレーターや絵師まで輩出しているので影響力としては計り知れないものに)。

 だが先にも触れたようにVOCALOIDに対しての見方や受け方によりこれまでに無かった価値観で触れていかないことにはやはり奇異の目で見てしまい、遠ざけてしまうこととなる。

 …これらがVOCALOIDが一つの特殊ジャンル足る所以である。そしてこの記事でも判るように

・["目"で聴く音楽]の代表格コンテンツの一つであること
・[音楽ジャンル]とは、[音楽]とは。

という課題を感じ取れると思う。
次はまた違う観点でこの話の切り口を見てみる。

次回へと続きます。


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