うみをいく
人の目線から見える水平線の距離は約4キロメートルだそうだ。
これは人がおよそ1時間で歩く距離だ。
海の上を歩けたとして、僕はあそこまで1時間で辿り着けるだろうか。
遥か遠くに感じるのはその奥行きが果てしないからだろう。
後ろを振り返っても4キロ先に水平線が見えるに違いない。
僕は今前に向かって歩いているだろうか。
まわり道をしているのだろうか。
目印はない。
就職、結婚、出産、人生の岐路となる波は穏やかなものばかりではないだろう。
何が良くて、何が間違いという正解のルートはない。
僕が歩む道が人と違っていたっていいじゃないか。
水平線の先にはどんな景色が広がっているのか、まだ見ぬ雄大な景色に心が弾む。
数えきれぬほどの波を超えて僕はこの先の人生いくつもの島に立ち寄ることだろう。
同じ島に再び辿り着くことだってきっとある。
だが決して歩みを止めることはない。
人生は大海原のように広がっている。
次にどんな島が待っているのかワクワクする。
4キロ先を目指して歩いて行こう。
島が近づけば波はしぶきを上げる。