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plastic_girl
来年はきっとまた別の誰かのレジに並んでる
いつからだろう、
仕事帰りに寄る近所のスーパーが少し楽しみになった。
レジでお会計をしてくれる胸元の名札は「尾崎」さん。
大学生くらいだろうか。
マニュアルでも営業スマイルだとしても、彼女の丁寧な仕事振りは惹き付けるものがある。
その笑顔と声が聞きたくて、
週一回、ついレジを選んで並んでしまう。
交わす言葉といえば、
「3円の袋を1枚くださいますか」
「かしこまりました」「ありがとうございます」
この程度だ。
どんなに仕事で疲れていても、僕も丁寧に言葉を返す。
気取られないように変に思われないように、せめてただレジに並ぶ人たちの一人であることに努めて、笑顔を添える。
これ以上に踏み込むことはない。
これくらいの好きな気持ちはいつもそうだ。
いつからだろう、好きの深さが浅くなったのは。