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「自動化」によって時間と人手をかける先を、仕事から自分のために移行する

■ デジタル化は「自動化」の推進


ICTやDXという言葉は世間で認知されているが、日本において積極的なデジタル化が進んでいる様子は伺えない。
それはデジタル化が全く進んでいないという意味ではなく、徐々に広がりを見せているから認識しにくいという話もあるし、その業界しか分からない変化ということもある。
そう考えると、世間全体が「いや~、ここ数年でデジタル化が進んだなぁ」と知覚できる話でもないのかもしれない。

もしデジタル化を実感するとしたら、その有用性を実感したときだろう。
ビジネスにおいては、デジタル化の目的として生産性の向上や業務効率化が挙げられる。それは突き詰めていくと「自動化」という話になる。

今まで時間をかけて人間の手でやってきたことを自動化することで時間を短縮するとともに、同一の質を再現しつつ、同一の成果を出すことを狙う。
これにより、労働者の手を空けようという考える。

資本主義的な考えをすれば空いた時間でさらなる生産をしたり、新しい商品やサービスを作る考となるが、働き方改革的に考えれば労働量の削減や休みなどの余剰時間を増やすという期待もできる。


■ 「自動化」を阻害するもの


しかし、デジタル化もとい自動化に対して、未だに懐疑的な考えを抱いている人は少なくない。

自動化へ疑念を持つ理由の1つとして、「時間をかけること」「人の手をかけること」に対して絶対的な価値観を持っていることが挙げられる。
そのような価値観や心理面による結果として「自動化なんて良くない」となったり、「デジタル化なんて必要ない」なんて意見も出ることになる。

もちろん、このような価値観を持っている全員が、これから先も時間と人手をかけることに肯定的というわけではない。単純に、今までやってきたことを急に時短化やらシステム化やら言われても困惑してしまうのだ。

それは「短時間で済ませること」そして「人の手を介さないこと」に対して不安があるからだ。

「機械やシステムは、ちゃんとやってくれるの?」「時短化なんかしたら質が悪くなるのでは?」「人の手でやったほうが気持ちが伝わる」などという感情が湧く。

つまり、このような思いが自動化を阻害していると言える。


■ 総合的に見れば、自動化は質の向上につながる


しかし、実際のところ、デジタル化により業務の一部あるいは全体を自動化へ切り替えた企業においては、上記のような懸念事項は聞かれない。

もちろん、切り替え時期においてトラブルはある。職場だけでなく顧客にも迷惑をかけることもある。しかし、それは一時的なものであって徐々に収束していくのが普通の流れだ。これは自動化うんぬんに限った話ではない。

また、今まで時間と人手をかけていたことから解放されたものの、労働者によっては寂しさや手持ちぶたさな感じになっても、それも時間と共に緩和されていくものである。これは「慣れ」の問題だ。

それに、自動化によって時間が空いたからといって、労働者をボンヤリさせるほど社会は甘くはない。休日や休み時間は確保しやすくなるだろうが、就業時間はしっかり仕事を与えるだろう。

しかし、そこでも自動化による恩恵はある。今まで時間とかけたり人の手をかけていた作業が省略化されると、疲労も少なくなるし、それは引いては脳疲労を軽減することにもなる。
脳疲労を軽減できれば、クリエイティブな思考もしやすくなるし、メンタルにも良い影響をもたらす。

これから先もAIが進歩すると、人間が考える作業が減ると思うので、より脳疲労の軽減は期待できる。それにより、新しい商品やサービス、職場改善のための思考ができるだろう。

最初のうちはデジタル化だの自動化だのと言われても反抗的だが、その状況に慣れれば、より仕事は拡張性が広がると共に、労働者の心身にとっても有益になるのだ。

これはあくまで前向きに考えた話であって、すべてが良いことばかりとはいかないだろうが、テクノロジーとは常に前向きなことに活用することを期待していることはご理解いただきたい。


■ プライベートに時間を割くため、仕事を自動化する


もしも、ここまでも「時間をかけること」「人手をかけること」を重視されるのであれば、仕事における自動化は受け入れて、プライベートでその価値観を発揮してはいかがだろう。

上記のように職場において自動化が適切に進めば、残業やら過重労働の削減が期待できる。それにより休日も含めたプライベートの時間も確保できることだって可能になる。

これは現代の日本ではまだまだ改善が必要だが、もしも自動化によってこれが実現したとき、ぜひ自分のために時間をかける・人の手をかけることをしていただきたいと思う。

効率的な勉強法で焦って学ぶのではなく、1つのテーマに対して自分が納得いくまでじっくり学んでみてはいかがだろう。

コンビニ弁当やお惣菜ばかりではなく、野菜を切るだけ、鍋で煮るだけでも良いのでひと手間かけた食事を準備するのも良いだろう。

自宅と職場を行ったり来たりのマンネリが嫌ならば、運動がてら遠回りして、たまには道に迷えば発見だってあるかもしれない。

久しぶりに友人に電話をかけてみたり、余力があれば連休以外に実家に帰るのだって自分をリセットする機会になる。

仕事だけが人生ではない。いっそ、仕事における自動化は「自分のために時間を増やし、自分のために人手をかける」と自分勝手に捉えても良いかもしれない。

何となくだが、このようなサイクルを繰り返すことが、今の日本にとって必要であり、社会が発展する起点になるのではないだろうか。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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