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受講や資格、経験や肩書ばかり重視しているから介護業界は発展しないと思う
介護サービス事業は、介護保険制度という国の定める法令や基準によって運営されている。そのため、国の指針によって介護業界は右往左往される。
国の定める法令や基準を見ていて思うことは、何をするにしても「〇〇を受講(修了)していること」「✕年以上の経験があること」「△△という資格を有していること」といったことだ。
何かするには事業所内にそれなりの経験やスキルをもった者がいたほうが、適切な事業運営ができるということは分かる。
しかし、この変化の激しい時代において、受講や資格やらという「箔(はく)をつける」ことを重視する悠長なことをやっているから介護業界は遅れていると思う。
数年かけてゆっくり体制を整えている間にも高齢化社会は進んでいる。いや、すでに進んでしまって今がある。
事業や業界を発展させたいならば、こういった受講もの、経験年数、資格保有といった「箔(はく)をつける」ような規制が逆に足を引っ張っているということに制度は気づいたほうが良いと思う。
特に受講ものは開催時期や場所等の機会が限定されているため、ある程度の猶予は勘案されるにしても、本当の意味で体制を整えるには1年待たなければいけないこともある。
実際、グループホームの運営における管理者になるために「実践者研修」とか「管理者研修」といったものを修了するにおいても、年2回の機会しかないためスケジュール調整が大変であった。
それこそ、受講はある程度はオンラインにできないものかと思う。グループディスカッションや成果発表だってzoom等で実施できるだろう。
そして特に個人的に疑問視しているのは「資格」である。
国はどうやら、資格を持っている介護スタッフが有能かのような幻想を抱いている。資格保有者が多い事業所ほど、良い体制が作れると誤解している。
これは私が介護業界に駆け出しの時期において早々に気づいたことだが、介護福祉士の資格を有している5年、10年、15年以上のキャリアを有しているベテランスタッフでも、全く基礎を分かっていないことがある。
高齢者介護や認知症ケアの知識は時代錯誤ばかりで、移乗や食事介助といった技術は力任せの介護者都合と驚くこともあった。
介護福祉士を取得した時期ならば当たり前だったことでも、知識や技術は日進月歩である。どんどん自分で勉強していかなければ時代に取り残されてしまう。それどころか、仕事を失ってしまう可能性だってある。
・・・が、介護の仕事は昔から人手不足であることから、古いやり方や考え方でやっていたとしても、それを改善せざるを得ないきっかけがない限りは「今までどおり」が平気でまかり通ってしまう。
そのため、自己研鑽をしないベテラン介護士でも「自分は(10年前に)介護福祉士の資格を持っている、この職場では(同じことを繰り返してきただだけの)ベテランである」と言える。
もしも10年前に介護福祉士なりの資格を取得した方がおられたら、直近の介護福祉士の試験をやってみればいい。ネット上ですぐ閲覧できる。
やってみて「それなりにできた」ならば問題ない。しかし、資格を受講してから何もしてこなかった方は絶望するかもしれない。その絶望は時代の変化だと思っていただければ良いと思う。
そして何より、どんなに現場でのベテランでも、資格や肩書があっても、申し訳ないが介護業界はビジネススキルのレベルが低い。特にスケジュール管理や報連相といったスキルは明らかに低い。
あくまで私見であるが、いきなり介護業界に入る前に営業といった個人で色々な調整や関わりをする仕事に就いたほうが良いと思う。実際、他業種で色々な調整ごとを経験してきたスタッフは、介護現場でも連携をしっかりとろうとする。
もちろん知識や技術は大事だが、チームプレイとしての介護においては全体像を見て連携して動こうとする人が有能と言える。
介護の経験がなくてもいい。自分がその場で求められていることを果たすため、逆算で物事を考える思考があれば十分なのだ。
このようなビジネス思考ができる介護スタッフを育成すること、そして業界の発展に足を引っ張るような法令や基準を少なくすれば、介護業界はもっと発展できると思う。
制度を変えることは難しいだろうが、現在介護で働いている個人の成長意識および行動を変えることはできる。
特に自分はベテランであると自負のある介護士や、過去に資格取得してから何も勉強していないまま現場での勤務日数を積み上げている介護士は、動画でも何でも良いから、自分の知識や技術をアップデートする習慣を身につけることをお勧めしたい。
ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。