#1 『息子が突然倒れた日、、』
起床後、息子が学校に行くのを
見届けるのがルーティンだったが
今朝は全く想像もしていない
予想外のことが起こった
いつものように息子が朝食のおにぎりを食べていたが、口からポロポロ溢し始めた
何かがおかしい、、
息子が急に泣き始めた
『頭が痛い』
とりあえず布団に寝かせて様子を見ていたら
今度は『左手が動かない』と言ってきた
立ち上がらせて歩かせてみると
左半身がもつれて倒れてしまった
妻『パパ!あさひがおかしい!救急車を呼んで!』
慌てて連絡を入れたが
息子が今度は嘔吐し始めた
『パパ助けて、、』
『しっかりしろ!いま救急車を呼んだから大丈夫だ!』
息子が泣きながら苦しそうに
『左手と左足ってなんの意味があるの、、』
気が動転して頭の整理が追いつかない状況だが
息子に声は掛け続けた
救急隊が到着した
状況整理をして緊急搬送
私と息子は救急車に乗り、妻と次男はタクシーで後から追いかけてきた
いつでも発進できるのに
受け入れの病院が見つからない、、
5件断られた後、
やっと受け入れ可能な病院が見つかった
息子が倒れて1時間後くらいだった
息子はそのまま救急外来へ
私と妻は待合室へ
検査が終わり
担当医が状況を説明してくれた
『脳内出血があり左半身が麻痺している状況です。』
『え、、』
『おそらく手術をしても麻痺は治らないと思います』
いやいや何言ってんの?
昨日まで元気にサッカーもしてたし
友達と楽しく遊んでたし
M-1を見ながら一緒に爆笑してたし
なんで息子が、、
頭の整理が追いつかず呆然とした
ゆっくりと現実を受け止めた後
哀しみと涙が込み上げてきた
精密検査を行う為、緊急入院
息子はその後ICUに運ばれた
夢なら覚めてくれ
何度も思った
数時間後
面会に行ったら息子の姿は
酸素吸入や点滴、全身管だらけで
意識が安定しない状態だった
息子のそんな姿を見た瞬間、涙が止まらなくなった
まだ9歳だぞ、、
なんでだよ、、
『あさひ、パパ来たよ!大丈夫か?』
声は届いているらしく
虚ろな目で静かに頷いた
その後、検査結果と今後のスケジュール説明の為、別室に移動
医師から
【脳動静脈奇形】出血発症
と診断された
10万人に1人の確率で発症する
先天性の脳血管の病気らしい
耳を疑った
そんな確率の病気が
なんで私の息子に、、
手術は確実に行うが
特殊で難しい手術の為、
同じ日に2回に分けて行われるらしい
破裂した正確な位置の特定と
出血量の状態、
オペスケジュールの調整などを行うため
手術は2日後12/25の9:00と夕方に決まった
そんな大事な日がクリスマスなんて、、
最後に息子の顔を見にいったら
意識は混濁しながらも
『ママ、、』『パパ、、』と喋ることもできた
息子も何がなんだか分からずに怖かっただろうな、、
憔悴しきった状態で私達は帰路についた
家に着いた瞬間
妻『ごめん一回泣いていい、、』
その場で息子の名前を叫びながら
泣き崩れた
『そばにいてあげたい』
『今も不安で怖がってる』
まさかこんな事になるなんて
信じられないし信じたくない
できることなら変わってあげたい
今までみたいに普通に学校に行って
友達と遊んで
大好きなサッカーをして
SwitchでYouTubeを見て
楽しい事をたくさん学んで
普通に生活する人生を送って欲しかった
障害を抱えて生きていくことが
どれだけ大変なことなのか想像できない