DXは顧客を巻き込み経営を変革し社会を進化させること

こちらのイベントに参加しました。

登壇者の方々

左から本間さん・渡邊さん・兼松さん・藤井さんです。

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以前、本間さんにはインタビューもさせていただきました。

書籍紹介

登壇者の藤井さんと兼松さんがそれぞれ書籍を出されています。

データの世紀については2019/11/15に発売になります。日経新聞の連載に加筆されたものになるそうです。

また、連載が再開するかもとのことなので楽しみにしてます。

以下は当日のグラレコです。あのスピード感あるトークセッションがすごくまとまってます。すごい...(語弊力)

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DXは経営改革のための手段でもある

企業によってはDX推進室の様な組織を編成しているところもあると思います。しかし、働き方改革のように、言葉だけが先行してしまうケースも多いのではないかと思います。

・データを使うことを目的化しない
・顧客に提供できる価値が何かを考えられている

上記のようなことを念頭に起きつつに、あくまでも目的は経営を改革する事を見失ってはいけないということでした。

さらにこの経営改革は、ユーザーも巻き込んでの改革であることを意識する必要があるとのことでした。アフターデジタルの中になる平安保険の事例では、DXに取り組むことは企業側とユーザー側の双方にメリットがあると言われています。

「デジタルと行動データを駆使して最適なタイミングで最適なコミュニケーションを取れるようになり、全体的な営業工数や負担はむしろ減り、効率化されます。これによって空いた時間は、より信頼を創るコミュニケーションに当てることで、ユーザー側にも企業側にもメリットがある仕組みになっていると言えます」

—『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』藤井 保文, 尾原 和啓著

「自分達が集めてきたデータは何に使えるのか」という問いに止まってしまうことはよくありそうです。確かににデータを分析すること自体はとても重要だと思います。しかし、この問いだけではDXを実践するまでには至らないことがよく分かりました。

本間さんの出した天気予報の質問から得た「データを提供するのは組織や企業だが、それに基づいて行動や判断するのはユーザーである」というのは良い気づきだったと思います。

中国のDX事情

中国を中心にお話がありました。中国は文化的な背景もあって、国が主導でDXを進めているところがDXが浸透する上での強みになっていると感じました。

特にアリババを中心としたオンラインでもオフラインでもデータを集める技術やマネタイズの仕組みが既に整っているというところがとても強力だと感じました。

データは21世紀の石油という表現がありましたが、石油自体は限りある資源です。しかし、データは無限に人の手によって沸かすことができます。アリババくらいのレベルになるとデータを収集することだけを目的としたサービスや事業を展開できるようになり、これが21世紀における強みになるかと思います。

トークの中にあった平安保険やシェアサイクルの変遷などは、藤井さんの著書であるアフターデジタルに多く書かれているので一読の価値ありです。

シェアサイクルについては、都内で大体150円くらい(2019年時点)かと思いますが、中国ではその1/10程度の料金設定になっていて、一体どうやってマネタイズしているのか不思議でなりません。

と、思ったらビジネスモデル図鑑2.0にMobikeのビジネスモデルが掲載されていました。

ポイントは信用スコアのようです。また、この信用スコアの芝麻信用についても図解されていました。

平安保険については掲載はされていないので、ビジネスモデルを図解するネタとして使えそうです(事業絞らないと収集つかないかもしれません…)。

また、動画でも紹介のあったフーマーにおける需給予測がほぼ完璧にできている点など、よくよく考えてみるととんでもなく凄い事で、これが日本でも広まると既存の小売業や流通業はガラリと生まれ変わるのは間違いないです。

特に店舗における体験提供のレベルは、とてもハイレベルなものになっている印象でした。見ててテンションが上がります。

行動データを貯め続けるためにリアル店舗に積極的に足を運んでもらうための仕掛けがとても緻密に作り上げられているのを感じました。

行動データをため続けるには「楽しい、便利、使いやすい」といった体験品質の高さが必須になる。

—『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』藤井 保文, 尾原 和啓著

ただし、このリアル店舗もeコマースへの布石に過ぎないというところが末恐ろしいところです。

日本のDXは中国に倣うべし?

アメリカのDX事例ではなく、文化的にも地理的にも近い中国のDX事例を倣うと良いというのは、個人的にもそう思います。例えば、生鮮食品に関する知見は、地産地消の文化のないアメリカ圏のAmazonには殆どないため中国の事例の方が参考になるとのことでした。

とはいえ、Amazonとライフが手を組んで一部の地域で生鮮食品や鮮魚の取り扱いを始めているようです。現時点でどれくらい利用されているのか、どういう体験ができるのか気になります。

また、日本の金融関連の顧客体験はあまり良くないものが多いのが特徴です(苦笑)。しかし、近年は大手銀行がオープンAPIとして、銀行が持つデータを他社が利用しやすい仕組みを作り始めています。この分野に関しては平安保険の事例は参考になるのではないかと思います。

データを集める事に関しては、現状は既存の大手企業が強いと思います。いろいろ課題は多いようですが、スタートアップやベンチャー企業と連携してデータを活用し、より便利なサービスなど提供に繋がることを期待しています。ただ、あまりうまく行っていないようなので、引き続き情報を追いかけたいところです。

また、日本中に普及しているFeliCa対応のICカードのデータをもっとオープンAPIで使えるようにすれば、いろんなサービスとの連携ができるようになりDXが進むのではないかと思いますが、企業間の壁など色々と事情があってなかなかうまく進められないようですが、とても期待しているところです。

個人的は病院や薬など医療関係の分野でももっとDXが進んでいって欲しいと思っています。中国の事例を見ていると、日本でありがちな診察券が無限に増えているようなことも、大きな病院で何時間も待たされるといったことも改善できるのではないかと思います。この分野が改善されたときに始めて日本のDXが進んだと思えるかと思います。

ただ、今の日本では個人情報の取り扱いについて、個人の認識や文化による観念、法の整備などまだまだ変わらなければいけない点が多く存在していることも事実です。個人情報の取り扱いに関するニュースは個人的にもよくウォッチしているので、今後どう変わっていくのか見守って行きたいです。

DXは上海でたくさん体験できる

DXによる変革を体験するにはやはり現地に行くのが一番なのではないかと思いました。今から行って体験するのでも遅くはないのでないかと思います。(なんて言いつつも自分は中国には行ったことはありませんが...)。というわけでなんとしてでも中国には行こうかと思います。

今回の話を聞いて、これから日本独自のDXでどういったものが出てくるのか、どういった体験ができるようになるのか、いろいろな分野に渡って期待も高まりました。

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