2024年読書まとめ短編小説編
去年からほとんど読んだことなかった短編小説を地道に読んでいる。短編小説と言っても一話完結ものばかりではなく、章立てて繋がっているものも対象にしている。要はサクッと一纏まりの話が読めるもの、という括りにしている。
小説 シライサン
乙一さんの小説。「リング」や「螺旋」っぽさのあるホラー小説で個人的には良かった。昔は角川ホラー文庫をひたすら読んでいる時期があったのを思い出す。
ボッコちゃん
実は星新一もほとんど読んだことがなかったが、これは20年前くらいに読んだと思う。今読んでも新鮮があるのが凄い。
ほどなく、お別れです
『神楽坂スパイスボックス』の著者のデビュー作。シリーズもの。最近漫画にもなっている。葬儀屋が舞台なので「死」に纏わる話が多いものの、あまり暗い気持ちにならず読めるのは、全体的に優しさを感じる話になっているからかもしれない。
迷い猫あずかってます
猫を飼ったことがないのでこういう日常の観察からの気づきは知らないことばかりでとても良かった。動物を飼うことについて考えてしまうが今住んでいるところは飼えず…トラーのような猫に出会ってみたい。
モモ
児童小説であって短編小説ではないけど、1章が短くてサクッと読めるので。今の時代改めて読んでおくと良い名作だと思う。読んだことがあったような気がするけど色々と忘れていたので再読するの良いなと実感。
ナイン・ストーリーズ
野崎孝氏の翻訳が1974年で、こちらは2024年。これも遠い昔に読んだ記憶あるけど今読んでも新鮮だった。正直最初の『バナナフィッシュ日和』はやっぱりよくわからなかったが、『エズメに、愛と悲惨をこめて』と『テディ』は良かった。
はるなつふゆと七福神
七福神のキャラ設定がユニークで発想が面白かった。軽い気持ちで読める日常ファンタジーな1冊。
君と夏が、鉄塔の上
前回の『はるなつふゆと七福神』からの賽助氏らしい神様要素、そしてジブリっぽさもある青春ファンタジー小説。荒川土手に鉄塔という風景が頭の中に再現できるくらい鮮明で映像でもぜひ見てみたいなと思った1冊。
キッチン常夜灯
「ほどなく、お別れです」の著者の作品。自分にもこういうお店が近くに欲しい、なんて思える真夜中から朝にかけて営業しているキッチン常夜灯。登場する料理はどれも美味しそう・温まりそうでとても良い。チェーン店と個人店、それぞれの違いから気づくこと学ぶことはたくさんある。
水曜日の手紙
実際にあった「水曜日郵便局」が題材。個人的には3章の存在がこの1冊の中でとても良かった。文字にした思いが単なる偶然ではなく、誰かが繋げてくれる恣意性があり、またそこに各々の思いがあって良い。
猫を処方いたします。3
待ちに待ってた猫処方の第3巻。今までと違うパターンであったり、少し過去の話であったり、やはり癒やされつつも現実についても考えさせられる。でもやっぱ猫は良い…
サキ短編集
海外作家の短編集はあんまり読んだことなかったので、検索してみたところ有名だったのでチョイス。今でいうブラックユーモアのある独特な風刺、教訓めいた内容の多い短編集だった。
1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
こちらも有名どころの海外作家ということでチョイス。あの有名な「最後の一葉」がO・ヘンリーの作品だったということを知ったというか思い出したというか…どの短編小説もとても良かった。個人的にはかなり好み。
儚い羊たちの祝宴
良い具合にモヤッと感を残しつつも、想像力を掻き立てるブラックホラーな短編でなかなか良かった。個人的にはこういうホラーものは結構好み。
来年もオススメの短編小説を探しつつ、 1000日チャレンジの糧として読んで行こうと思います。