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第18話 神様がお友達(転生神語)
人生のリセットを始めたものの、不満だらけの現実が変わらないのと、生まれてから、間違いだらけの人生を悔やむ、ブルーな日々を送っていた私を、元気づける様な事が、度々起きた。「もう、だめた!」と挫折しそうになっていると、何かが起きる。その度に、私は「ああ、神様は、まだ私を見捨てていないな!大丈夫だな!」って、思うことができた。
三年ほど前のある日、私は、買い物に行き、ワイン売り場を見て歩いていた。少し前に、お店で飲んだ、スパークリングワインが美味しくて、「あれ、どこのだったかな?飲みたいな?」と思って、ワインを見ていたら、
「すいません」
振り返ると、試飲コーナーがあり、女性が立っていた。
「よかったら、ワイン、いかがですか?」
「実は、試飲は、もう終わりなのですが、このワインボトルを、全部、持って帰らなくてはいけないんです。すごく重いので、軽くしたいから、飲んでもらえませんか?」
テーブルの上には、赤、白のワイン、シャンパンなど、10本くらい、ボトルが置いてあった。
「いいですよ」
と、言ったら、彼女は、その中の一番高いシャンパンを、紙コップに、なみなみと、注いでくれた。
「美味しいですねー」
と、私が、飲み干すと、
「次は、どれにします?」
と言って、赤ワインを、やはり、紙コップに、なみなみと、注いでくれた。
次は、飲みたかった、スパークリングワイン。どれも美味しかった。
四杯くらい飲んだだろうか?空きっ腹だったので、流石に、酔っ払ってきた。
ふと、横を見ると、おつまみが売っている。よほど買おうかと思ったけれど、買って、さらに飲んだら、もう、完全に売り場が、居酒屋と化してしまう。酔っ払って、帰れなくなると困るので、丁重にお礼を言い、その場を去った。
ニヤニヤが止まらなかった。
その頃、既に、私は、人との付き合いは、家族と職場のみにしていた。何故なら「別人になって、新しい人生を歩みたい!」と、思っても、昔の友人と会えば、元の自分に引き戻されてしまうからだ。
人との付き添いを減らし始めた頃は、誰かに会いたいとか、話したいという思いが強かった。しかし、次第に、人と関わらないことが、苦痛ではなくなっていた。
そして、段々と、他人が気にならなくなり、あの手この手で、私を楽しませてくれる、神様との付き合いの方が、楽しくなってしまった。
思ったことが、現実になる楽しさ!
もう、人間と遊べない!
もう、神様としか遊べない!