未経験で人事になりたいあなたへ 023/100 森田 茉実さん
未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」
森田さんとは、友人を介して知り合い、インタビューにご協力をいただきました。森田さんも、人材エージェントから人事にキャリアチェンジをされた「未経験から人事」になられた方です。
「コミット力」や「覚悟」を大切にされており、ビジネスパーソンとしての強さを、インタビューを通じて感じました。現在、人材エージェントの仕事をされていて、人事へのキャリアチェンジを考えられている方、必読です。
経歴
ー 学校を卒業されて、どんなキャリアから始められたのですか?
大学まで熊本県で過ごしていたこともあり、就職のタイミングで熊本県以外、中でも東京に出ようと考えていました。また小さい頃からマンガやアニメが好きだったため、エンタメ業界に特化した人材紹介会社である株式会社イマジカデジタルスケープに新卒で入社しました。
ー そこではどんなお仕事をされていたんですか?
RA(リクルーティングアドバイザー)とCA(キャリアアドバイザー)の両面を担当していました。最初は先輩の営業に同行して求人を獲得して、求人にマッチングする候補者様を自社のデータベースから見つけて、企業様にご紹介するという一般的な人材紹介会社の仕事をしていました。8年間在籍した後に、人事として株式会社アカツキに転職しました。
ー 人事になろうと思った理由はなんだったんですか?
人材紹介会社で働いていたこともあり、働くひたその中で転職を意識した理由は2つあって採用のことは身近に感じていました。中でも理由は2つあって、1つは企業様に候補者様を紹介するところまでしか関われないことに物足りなさを感じており、候補者様が入社後にどのように活躍してどのように成長していくのかであったり、その結果組織がどうなるのかといったところまで、同じ組織のメンバーとして関わっていきたいと思ったからです。もう1つは、人事として社員の方々が楽しく働くことができるように力を尽くしたいと考えて転職を決めました。
ー 人事としてはどんなお仕事をされていたんですか?
アカツキには合計5年半の期間在籍していて、最初の2年間は中途採用担当として、正社員採用・アルバイト採用に関わりました。その後3年間は、新卒採用に従事しました。そして2021年5月に現職である株式会社LITALICOに移りました。
現在の仕事内容
セールス職とデザイナー職の正社員の中途採用をメインに関わっています
経験してきた人事の仕事
人事の仕事のポジティブな面
・会社と組織と人の成長を肌身で実感できる
直近在籍していた2社がたまたま急拡大期だったこともあり、人事としてどれだけのインパクトを与えることができたのかはわかりませんが、自分が採用に携わった方が、入社という意思決定をしてくださり、事業を担うようなリーダーに成長して会社も成長するというサイクルを目の当たりにした時にはやっていてよかったなと思います。
・自由度が高い
人事の中でも採用担当やリクルーターといったポジションは、いかに人に会って、自社のことを知っていただき、意思決定をしていただくかという意味では、営業に近いと思っています。マーケティングから実際に入社していただくまでワンストップで携わることができますし、自分で課題を設定して、施策をたてて動かしていけるという意味で自由度の高く面白い仕事だと思っています。
人事の仕事のネガティブな面
・長期的な目線と幅広い視野が求められる
外の会社から採用に携わる関わり方と事業会社の人事として採用に携わる関わり方は思ったよりも違いがありました。人材紹介会社として採用に関わる際は、どうしても今季の売上を意識してしまったりと短期的な目線で見てしまいます。実際に事業会社の人事として採用に携わった際には、想像よりもロジカルに中長期的な目線で採用を捉えてたことにギャップを感じました。今の組織構成だとどこのポジションにハマるだろうかであったり、お互いが長くハッピーに働くことができるかどうかであったり、幅広い時間軸や組織の全体観から採用を進めるということを理解することに当初は苦労しました。
・人のネガティブな部分に触れることがある
人を相手にする仕事なので、職務内容によっては心を持っていかれてしまう可能性もあります。組織や企業としての成果を上げるためにはときにドラスティックな判断を求められることもあるため、個人の意思とは切り分けて、俯瞰して物事をみる力も必要だと思います。
人事プロフェッショナルに必要な要素
・コミット力
いつまでに何をやるか、どれだけの成果を出すかといったことに集中して、理不尽なことがあってもやり抜く力は必要だと思います。例えば採用目標などを達成できないと、組織全体の計画が遅れることに繋がるので、事業に密接に関係している仕事だと思っています。人が足りないからやりたいことができないといった声も聞きますし、人不足が要因でできないことをなくしたいですね。
・冷静さ
仕事を通して色んなことが起きる中で、感情をかき乱されず、事実に基づいて冷静に判断することが求められます。関わる対象が人なので、マインドを削られる場面はあります。自分でモチベーションや感情をコントロールしていかないと、人事を続けるのは難しいと思います。
・学習意欲
採用手法のトレンドも日々変化するので、最新の情報をキャッチして、どのように自分の組織に反映させていていくのかを考える必要があります。情報に関する感度をあげて、インプットを続けることは必要かと思います。
人事キャリアを目指す方にアドバイス
一番大事なのは、覚悟ですかね。
どの仕事でもそうですが、自分はここで本当にやっていくんだという自分に対する誓いのようなものは大切だと思っています。私自身、未経験から事業会社の人事を経験していく中で、「こんなはずじゃなかった」「つらい」といった場面はたくさんありましたが、そんな時は自分との約束を思い出して頑張ってきました。
振り返ってみると、人事になりたての頃は会社や組織のことを考えて仕事をできていなかったなと思います。採用や人事は経営と一枚岩だとよく言われますが、狭い視点で戦うのはよくないと思います。会社として達成したいことと自分が今していることを紐付けて考えることができるといいのではないでしょうか。
人事を志す上では、覚悟をファクトでみせることができるといいと思います。
「人事やりたいです」とは言っても、人事をやるために何をしてきたかを聞くと答えられない人が結構います。人事をやるためにどれだけ考えて行動してきたかを言えるといいですね。私自身、1社目に8年間在籍していましたが、3年目から毎年人事への異動願を出していました。それでも人事への異動が叶わず転職を決意したのですが、その際には働いて子育てもしながら社労士の資格を取得したり、人事関係の本を読み漁って業務理解に努めたりと、やりたい仕事をやるためにできることを全部やってきました。
人事に限らず、やりたいことを仕事にするために自分が普段どんな取り組みをしているのかを一度考えてみるといいのではないでしょうか?
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