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腱板機能を全身から捉える~評価編~

こんにちは。
C-I Baseballの1期生の北山達也です。
今回はサポートメンバーからの投稿となります。

はじめに

私は日頃は整形外科病院に勤務しており外来診療において投球障害の選手を治療しています。
その中で腱板機能が低下している選手を多く経験します。
その低下している腱板機能を改善するにあたり、局所だけでなく全身から捉えることで改善することも経験します。

そこで今回は「腱板機能を全身から捉える」という内容を紹介していきたいと思います。

腱板の局所機能を改善する方法はこちらのnoteをご覧ください。

まずは日常行っている腱板機能評価について紹介します。

腱板機能評価

Full can test

選手を立位または座位とし、母指を上に向けた状態の肩甲骨面外転30~90度※とする。
検査者は選手にこの肢位を保つように指示して抵抗を加える。
※肩甲骨面30度は関節包が最も緩む肢位のため、腱板の安定性が最も必要となる。

Empty can test

選手を立位または座位とし、母指を下に向けた状態の肩甲骨面外転30~90度※とする。
検査者は選手にこの肢位を保つように指示して抵抗を加える。
※肩甲骨面30度は関節包が最も緩む肢位のため、腱板の安定性が最も必要となる。

Belly press test

選手を立位または座位とし、肘関節屈曲90度させ手部を腹部に置いてもらう。
肩関節内旋位、手関節掌背屈0度で保持するように指示して抵抗を加える。

Bear Hug test

選手を立位または座位とし、検査側の手掌を対側の肩に置く。上肢挙上90度、最大内旋位を保持するように指示して抵抗を加える。

infraspinatus test

選手を立位または座位とし、上肢下垂位、肘関節屈曲90度とする。
肩関節は中間位~最大外旋位とし、検査者は選手にこの肢位を保つように指示して抵抗を加える。

上肢挙上テスト

選手を立位または座位とし、検査者は後ろから検査側の上肢を他動で外転させる。
この際検査者が選手の上肢を強く感じた場合や、他動運動に対して上肢全体がついてこず、肘関節屈曲などがみられた場合を陽性とする。
必ずしも腱板機能のみを反映したテストではないが、腱板機能が低下している選手の多くはこのテストが陽性となる。

腱板機能を全身から診る

目の前の選手の腱板機能が低下していて腱板トレーニングを処方しても変化がないことを経験しないでしょうか。
この場合、腱板自体には問題がなく、腱板が収縮しづらい身体環境になっていると考えています。

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