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ヒロシイズム17

イベントから一週間後にKABからメールが届いた。番組で冊子を紹介します、と。放送日当日だった。どんだけギリギリやねんと思ふ。早速、彼女に知らせると、良かったね、思ったよりも素っ気ない返事だった。

それから、彼女と連絡が途絶えがちになった。

思い返せば始まりは、かけうどん出版慰安旅行、カケウドニズム創刊記念宮古島キャンプ旅、12月頭に次号を刊行する記念に宮古島、かけうどんチャンネルのアイコンになっている菊之露酒造干支ボトル龍神様の故郷を訪れ、来年の干支、蛇神様干支ボトルを現地で購入し、ぼっちキャンプでヒロシさんが訪れたキャンプ場の洞窟に祀ろう、ある程度日取りも決め、そんな計画を立てていたのだけれども、彼女がやっぱり行かない、と言い出して、その理由が、俺の貯金額が少ない、20万円ってなんだ、安すぎる、よくそんなんで生きて来れたな、強メンタルか、ボーナスが出るんだ、心配無用、いや貯金しろよ、来月のクレジット支払いがやばい、メシ代二人分払うのダメージデカい、ジャブが効いてる、そんなん言うなら奢るな、金が無いくせに、テレビに出たし美味いメシ食いに行こう、安いメシで別会計でいいなら、いや行かなくていい、連絡が途絶えて、長いLINE、お金と生活の価値観が違い過ぎる、一緒にやっていけない、カチンと来て、別れましょう、俺から別れを切り出すと、既読スルー、なんだ別れたくないのかと思い、まあこちらも感情的になった、やり直そうと告げると、ごめんなさい、私が悪かった、こちらもごめん、これからもよろしく、一日置いて、いや、お付き合いは続けられない、ごめん、冊子は次号まではちゃんと作ります、え?俺がフった筈が気が付けばいつの間にかフラれた側に回っていて、頭が混乱、わけわかめな状態で彼女の家、カケウドニズム1号の入稿支払いの為彼女のMacにクレカ情報を入力。で土下座、復縁を懇願、CKB「スポルトマティック」を聴いて貰うなどするも彼女は頑なだった。お引き取り下さい。帰り道にLINE通知。「一緒に過ごした時間は楽しかった。ありがとう」俺は一言だけ返信する。「オリゴ糖」

かけうどん出版は解散、倒産した。俺は一人ぼっちになった。人生ソロキャンプ。次号は出る、カケウドニズム創刊1号、それが最終号だ。また無料配布しようと思っている。

楽しい事を考えよう。服を作ろう。商品名は「野かけうどんコーチJKT」ユナイテッドアスレのボディに背中、胸に文字を入れる。文字デザインは同級生のデザイナーに頼んだ。背中に「外で飯喰うただそれだけのかけうどん」をアルファベット表記。野かけうどん、とNO KAKEUDONとダブルミーニング。野を駆けるうどん、かけうどんチャンネルなんてクソさ、誰が見るか、面白無いんじゃ、ボケ、カス、ノーカケウドンと自己否定を込める。胸のワンポイントはPUNK×文学、この文字をデザインして貰う積りだ。8000円で販売する予定で、実物が出来るのは年を越してからだろう。この記事を読んで欲しいなあと思う奇特な方がいれば是非連絡して欲しい。受注生産で作ろうと考えている。

日付が変わる。また、明日が来る。クソみたいな、明日が。




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