インドネシア雑記
三月中旬に赴任して早5か月。生活のペースも慣れてきた。インドネシア第2の都市、スラバヤ。約20年前にも3年半をここで過ごした。20年ぶりの現地法人勤務となったが、半分くらいは当時とメンバーが変わらない。
かつて一緒に働いた女性は例外なく当時より太っていた。やはり食事は揚げ物と甘いものが多いからだろう。だが、なぜか男性は女性ほど体形の変化は激しくない。
基本的にお酒はご法度なので食生活の男女差はあまりないように思うが。女性は万国共通で男性より甘いものを好むのか。
でも時々ゴルフ場で男性4人がピンクや緑の甘いジュースを飲みながら、大声で笑いながらはしゃいでいるのを見かける。お酒を飲まずによくできるなぁと感心する。
毎週末はゴルフをしている。他にやることが無いからなのだが、日本では年間10回やるかやらないかだったのが毎週2回となると、さすがに腰、腕、背中といろんなところが痛くなる。スコアも全く纏まらず、精神的にはもよくない。
という訳で、毎週土曜日のゴルフの後、按摩さんを呼んでいる。マッサージ嬢と言えばその通りなのだが、文字通りのデリバリーヘルスである。健康を運んで来てくれる。下系の戯れは一切なく、両者ともにその気はない。
ヒジャブ(頭に巻くスカーフの様な布)を巻き、ちょっと小太りのおばさんが、きっちり1時間全身をマッサージしてくれる。親指の力がものすごく強い。
名前はアスリさん。今年中学生になった息子がいて、旦那さんは亡くなり、女手一つで息子を養っている。
「これが浪越徳次郎先生のいう指圧の心は母心なのか」と母心を意識しながら体を任せている。
料金は1時間10万ルピア+チップで総額でも1,500円までいかない。
施術中に全く会話しないのも気まずく、かと言ってインドネシア語が話せる訳ではないので、Google翻訳を起動し携帯をインタビューのマイクのように行き来させながら何とか会話している。
先日は洗濯の話になった。私が住んでいるのはサービスアパートメントで部屋の掃除やシーツ交換などのサービスはあるが、洗濯は備え付けの洗濯機で自分でやらなければならない。
アスリさんは洗濯機の音を聞きながら、羨ましそうにしていた。
彼女はスラバヤ中心街から少し離れてはいるが、この10年位で
ショッピングモールやマンション、ホテルが続々とできている地域に住んでいるが、彼女は昔ながらの小さな家を借りているらしい。
洗濯は基本的には手洗いとのこと。一般的な庶民の中でも、経歴や環境のせいでこの20年間の目覚ましい経済発展による生活改善の波に乗り遅れてしまったのかもしれない。
洗濯屋があり、1Kgの洗濯物を5,000ルピア(約50円)で請け負うらしい。7,000ルピアを払うと洗濯に加えて、アイロンがけ(皴を延ばすだけ?)もしてくれるとのこと。
食事は、一般的なインドネシア人は自宅で作ることはあまりなく、ほとんどが外食のようだ。ワルンと呼ばれる屋台が多く道端にあり、様々なインドネシア料理が売られている。
有名なナシゴレン(焼きめし)やミーゴレン(焼きそば)の他にべべゴレン(アヒルのから揚げ)、ソトアヤム(鶏肉スープ)、ソトミーダンドゥット(オックステールスープ)、サテ(焼き鳥)などなど、ほとんどの全てのインドネシア料理の屋台があるのではないだろうか。
値段は、利用したことが無いので、人から聞いたが話では、1食あたり10,000~15,000ルピア、90~140円くらいではないかとのこと。様々な料理を気軽に安く楽しめる。
アスリさんは私以外に3人の固定客がおり、マッサージ以外の時間は家で家事をしているとのこと。実働は週4時間だ。
家事をしているということは洗濯や料理を自分でしているのかもしれない。息子さんの学校への送り迎えもバイクで毎日している。
もっと働けばいいんじゃないの、と言うと、子供のための時間が減るのでいや、とのこと。
暮らしは楽ではなく、今の生活に満足とは言っていなかったが、でも息子さんとの会話を毎日楽しんでいる様子が窺えた。いざとなれば洗濯も料理もアウトソーシングできる。家族の時間を作れるシステムがある。
そういえば単身赴任なので娘たちと話していないなぁ。でも日本いてもあまり話さないか。
娘たちが中学生だったころは既に嫁さん経由娘たちと会話していた気がする。
生活が豊かになると家族の分断がすすむのか。家(うち)だけ?
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