良いクラスになったのは、みんなのおかげ。と子どもたちは書いていた。
どうも。
けすうよです。
今年度担任をしたクラスでは、現在卒業を控えており
「卒業文集」
に取り組んでいます。
僕は卒業文集には自分なりのこだわりがあって
「思い出の羅列」
にならないように指導しています。
一生残るもの、人が読むものだからこそ、できるだけ読み応えのある文章にしてあげたい。
そんなわけで今日は休日ですが、一人ひとりの文章をしっかり修正してあげよう!と思って、たっぷりと時間をとって文集に当たりました…
ところで今年度の学級は…
実は前年度に大きく崩れてしまいました。
僕が大学院で「学級の建て直し」をメインで取り組んでいたこともあり、異動後でありながら、その学級を持つということになりました。
初日の学級指導では、僕の話を聞いていない子や、僕を試して好き放題言ってきたり、僕の指導に対してキレる子たちがいました。
まあ、初めてじゃないので、全くもって驚きませんでしたが。
ただ、何度そういう態度を見てきても、先行き不安になることには変わりありませんが。(笑)
そんなわけで「なかなかの建て直し」
の1年がスタートしました。
僕が今シーズン、建て直しに使い続けたキーワードは
「人とのつながり」
です。
最近こんな本も出て、思わず買っちゃいましたが。
学級が壊れたクラスは、とにかく人間関係が崩壊する。
子ども同士で嫌いあい、陰口を言い合い、コミュニケーションが断絶。
もちろん「そんなひどい日常を与えた」と思われている教師、すなわち大人のことは1mmも信用しない。
また過去の先生や、学級の思い出ばかりを話し、現在を見ないようになることも特徴の一つ。
変化が怖いので、全体的に
「変わっていけない雰囲気」
が醸成されてしまいます。
そのため、頑張る子や真面目な子は馬鹿にされ、足を引っ張られ、仲間はずれにされ、一人ひとりの成長が阻害されてしまいます。。。
その他諸々、いろいろ不具合が出てきますが、こういう場合一番最初にできる措置はたったひとつ
「教師との人間関係形成」
だけだと僕は考えています。
子ども同士の関係は簡単には変えられません。
しかし、僕自信が努力すれば築ける「教師との人間関係」ならその日にすぐ変えることができるからです。
僕はそのために
①毎日ノートのコメントでやり取りする
②定期的に面談を行う
③手紙などを送って関係を築く
④小さなことでもほめる
⑤要求した行動にフィードバックをする
ということを徹底して行います。
特に
⑤要求した行動にフィードバックをする
は最も重要で、簡単で、誰にでもできて、一番効果的であると考えています。
教師は、教室にいる唯一の大人。
それだけに、一言一言、子どもたちに影響力があります。
「~をしてください」
「~してくれてありがとう」
という言葉は、良い行動を示し、強化し、良い雰囲気も醸成していきます。
「あ、この人はちゃんと私たちを見てくれるんだ」
そう思ってもらえれば、子どもたちはたいてい一生懸命動き、一生懸命活動するようになります。
やっぱり、見てもらってうれしくない子は少ないです。
そういう地道な活動の中で、大人の信頼関係から回復させていく。
そして次は、子ども同士でほめあったり、認め合ったり、言葉を交わし合ったりする時間をほんの少しずつ増やしていく。
よく学級を形成していくうえで、活動的なゲーム「互いを褒め合う」みたいな活動を入れる先生がいるが、この活動はかなりハイレベルな活動だ。
下手をしたら余計に人間関係を壊してしまう可能性がある。
だから、まずは全体発表の中で、先生が見ている中で言葉を交わさせ合う。
そして、適宜言葉遣いを教え、相槌を教え…
まず、徹底的に聞き方を育てていく。
そうやって互いの話を受け入れられる雰囲気ができたら、ようやく、満を持して「ペア活動」に入ります。もちろん、その様子もフィードバックする。最後に「グループ活動」に入り、その様子もフィードバックする。
こうやってちょっとずつみんなで学び合う雰囲気を醸成し、人間関係を形成していくのです。
さて、卒業文集に戻ります。
今年は、なんと多くの子どもたちが同じテーマで文集を書いていました。
それが
「人とのつながりは大切だ」
ということでした。
学年の目標となっていたのもありますが、これは結構意外でした。
僕にかなり怒られ、かなり指導され、互いにしんどい日々を過ごしたにもかかわらず、たくさんの子どもが「人とのつながりが大切だ」と書き、たくさんの子どもたちが「周りの人に感謝したい」と書いてくれていました。
僕は驚いたと同時に、子どもの無限の可能性、そしてどれだけ荒れても純粋な心に戻るということ、また自分の言葉の重み、責任も強く感じました。
そして何より、僕自信が子どもたちに
ありがとう
と思えたし、素敵なつながりに感謝しなきゃと思えました。
最後に
無事に卒業まで来れたのは、僕のおかげ…なんてことは絶対に思ってはいけない。
たくさんの保護者が僕を後押しし、先生方がサポートしてくれ、子どもたちが理解してくれて、成立しているのだ。
教師はともすれば「ヒーロー」になってしまいがちだ。
昔の僕は、完全にヒーロー化してたけど(笑)
今なら
「先生のおかげです!」なんて言われても「いや、それはみんなのおかげだよ」と、真面目な顔で言い返すことができるだろう。
そうやって心から思えるようになったのは、歳をとったからだろうか。
恋愛においては異常に不利だが
アラフォーも悪くない(笑)
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