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5000m15'51"から5カ月後に14'24"で走った浪人生

昨日のツイートに多くの反応がありました。

今は限られた練習環境で、個人単位で練習している方が多いと思います。

また引退のブランクから復帰して、もとの実力で走ることができるのか不安な方も多いと思います。

そんな方たちに少しでも参考になればと、もう少し詳しく書いていきます。

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現役時代、東大を受験するも不合格となり浪人することを決めた。

1年次から関東学生連合で箱根駅伝を走ることが目標だったので、浪人時代も予備校に通わず自宅浪人でトレーニングを継続することにした。(浪人時代全体のことは、また機会があれば書きます)

浪人時代は5000mの自己ベスト(14'27")を更新することを目標にしていた。

結果から言うと、9月の静岡県長距離記録会で14'24"の自己ベストを出すことができた。

こんなことを​やっていたので、一般受験はしないでスポーツ推薦でどこかに行くと思われていたようだが、、東大模試はずっとA判定でした。

浪人時代の基本的な生活リズム・練習環境は以下の通り。

朝晩のジョグ(7~14km)が中心。
週末に高校の部活(競技場でのポイント練習)に混ざらせてもらうことも。

高校の部活は、シーズン中だと試合が多かったり、夏は合宿に行ってしまっていたので、均すと2~3週間に1回くらいだったと思う。7~8月はほとんどポイントらしいことはしなかった。1人で競技場に行くことはなかった。

これでも自己ベストが出せた原因ははっきりしていて、ジョグでアップダウンのあるコースしか走っていなかったからだと思う。

ジョグのコースは1通りで、片道7km高低差300mのコースのどこで折り返すかだった。(実家にいた7年くらい1通りのコースしか使ったことない)

1人で走るとタイムを基準に追い込のは難しい。だから自然と身体に負荷がかかるコースを選んで精神的に無理なく追い込んでいた。やりきりさえすればいいのだから。

抜きの日、頑張る日、といったメリハリは特につけずに、毎日同じようなことをしていた。その中で頑張れそうな日は14kmやるし、やる気が起きなければ7kmでペースを上げてサクッと終わらせるというようにしていた。とにかく続けることが大切だと思う。(身もふたもないことを言うと、ほとんどの人にとって、練習内容よりも、いかに継続するかの方がよほど大切)

もし、アップダウンのない環境であれば、ファルトレク(~分強めに走って、~分弱めに走るの繰り返し)ばかりやっていたと思う。途中の1kmだけ頑張ってみるとか、坂ダッシュを何本かはさむとか、工夫の仕方は色々とある。

自己ベストを出すまでの過程は、まず初戦4月の日体大5000mで15'51"。多少なまっていても15'00"は切れると思っていたので、ショックを通り越して自分にあきれてしまった。組でかなり遅れたブービーだったので恥ずかしかった。

しかし、6月の日体大で14'50"、7月の静岡県長距離記録会で14'48"まで戻っていた。これは人にもよると思うが、完全に競技を中断していないのであれば、2~3か月でベストの8~9割までは戻せると思っている(ベスト+20~30秒くらい)。一切走っていない、となると話は変わってしまうと思うが。新しい環境で競技をするか迷っていても、1日20~30分でも走っておくとあとあと楽になると思う。

ベストを出す1週間前はかなり調子が悪くて、正直きついかなと思っていた。でも、記録会で久しぶりにトラックを走ったらとにかく楽しくてその勢いのままゴールしてしまった。

高校時代の14'27"は本当に練習が積めていて調子もよい中で出したこの上ないタイム。それを自分で工夫して、限られた環境下で更新できたというのが本当に嬉しかったし、自分の可能性を感じられた瞬間だった。

今は次の試合がいつになるかわからないが、浪人時代のこの経験が自分を支えてくれている。

明確な外的目標を定めて、逆算して計画を組むことを難しいかもしれない。でも、今の自分に少しずつ積み重ねて自己ベストを狙いにいくことは可能だ。プラスに捉えると、目標に囚われすぎずにプロセスを楽しむ余裕もある。

シーズン初戦では自己ベストを出しに行く。今までとは違った達成感を感じられるだろうし、それが今後の自分の可能性を広げることにもつながるはずだ。

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今回伝えたかったことは、

・ジョグでも工夫して負荷をかけることはできる

・実力は戻る

・自分の身の丈にあった組で走る(笑)

以上!

※写真はEKIDEN_MANIAさんから拝借しました。

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