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そのマンションから外に出るには奇妙な構造を突破する必要がある
簡易的な柵と綱渡りのロープくらい心許ない通路だけが空に浮いていて、それが地上まで延々と続く
このありえない構造のせいで自ずと一方通行のシステムに則る必要があるから、前から人が来た時には一旦踊り場まで戻らないといけない
なぜか踊り場だけは体裁を保っている

中年のサラリーマンが"急いでます"感を隠さない様子で向かってくるものだから
慌てて踊り場まで戻るんだけど、後ろにも沢山の人がいて完全に萎えた
つまらない気を揉むのが面倒になって、リスクのある柵だけでバランスを取って行こうと思う

遠心力と大股を頼りに進もうとしたら急に構造の全体がぐらついて地震みたいに大きく揺れた、けど通路ごと綺麗に倒れて、体操選手みたいに綺麗に着地できたのでよかった

後日、その構造全体を使ったデスゲームが始まった
スタンディングコースターみたいな装置に首を通させられて、空中から脱出できない状態になる
どのくらいそうしていたかは分からないけど、何かの拍子で全体がまたぐらついた
今度は構造が遊具(シーソー)みたいなゲーム性を与えられていて、限られた運が良かった人だけがたまたま地上に降りられることになった

エントランスの外側がガラス張りみたいで、身体を屈めたらギリ入れるくらいの沢山の小窓が見えたから 解放されてすぐ一目散に向かう
確実な安全圏に達し、ようやく安堵する

入ったら中は体育館みたいになってるし、外の様子を観察するとデスゲーム参加者は皆一様に体操服を着ていることに気付く
地上に降りられた人は他にも沢山いた

直線距離何メートルか先の地点に兄弟体制さんがいて、体制さんも降りられたんだーって思いながら窓越しに盗み見てたらこっちに気付いて『おっ』て顔された
ヘラヘラしながらお辞儀する
近付いて、全然世間話のテンションで今の状況について一言二言交わして、そしたら紅葉さんも降りれたっぽくて『たいせーこれ出ていいのー?』って声と金髪の頭が遠くに見えて、まあまあ呑気な調子で聞いてくる
体制さんも普段の感じで 『いいんだよ早く出なー』みたいなこと言ってる(兄弟だなあ)

で、独り言なのか話しかけてるのかわからない雰囲気で『イチゴ来た多分これ詰んだわ』みたいなこと言ってて、どういうことなのか理解するために外出たらイチゴのイクトさんがゲームの脱落者みたいな扱いになってて、どうやら今から脱落者を救うための権利を懸けたリレーが始まるらしい
え?このリレー全員参加ですか?またあそこに戻るの嫌です…って嘆いてたら間髪入れずにリレー始まってこれ以上ない連帯責任の形に絶望した


変な夢すぎ
兄弟のディティールだけがリアルでした