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JPQRで我々のスマホ決済ライフはどう変わるのか?
2020年度 総務省の統一QR「JPQR」普及事業ということで、6月から全国の店舗(事業者)を対象に申し込みが開始されていました。
さて、本日はこのJPQRによって、我々キャッシュレス推進派のスマホ決済ライフがどう変わっていくのか!?についてです。
▼JPQRについては、総務省のHPを参照ください。
▼QRコード決済の仕組みについては、こちらの過去note参照ください。
[図解]QRコード決済と全銀とCAFIS
結論:ユーザは何も変わりません
実は我々ユーザは何一つ、スマホ決済ライフが変革することはありません。
結構ここを勘違いしている人が多くいるようで、先日も「自分はLINE PAY登録しているから、これでQRコード決済導入している店でならどこかでも使えるんでしょ?」と話す友人がいました。
しかしこれはまったくの勘違いです。
統一QRなんて拡大解釈されてしまうようなネーミングが問題です。
実はこの普及事業というのは、QRコード決済を導入する店舗・事業者にメリットのあるものであり、ユーザ側はあまり恩恵がないのです。
※稀にレジ前にQR看板が乱立しているお店見かけますが、あのQR看板が1枚だけになって、混乱せずに済むだけです。混乱する人いないと思いますけどね。
▼このCMもめちゃくちゃ誤解を招くものだと思います。銀シャリさんには悪いけど、どうにかならないか、このCM。
店舗・事業者の導入メリット
JPQR普及事業のホームページには、3つ導入のメリットが紹介されています。
ポイント①複数サービスへ一括申し込み
これまでは、導入したいQRコード決済サービスに対して、一社一社申し込みが必要でしたが、一括で申し込むことが可能となります。
確かにこれは、これから新規で導入しようという店舗・事業者にとっては便利かもしれませんね。
しかし、あくまで一括で申し込みができるだけであり、導入したいQRコード決済サービスは、店舗・事業者さんが選択することになります。
つまり、LINE PAYとPayPayだけであったり、auPAYとd払いだけだったり、店舗・事業者さんの選択次第という点においては、ユーザからすると何も変わりはありません。
JPQRで申し込んだからと言って、全てのQRコード決済サービスが使えるということではありません。
ポイント②統一QRコードにより、手軽に決済・管理できる!
JPQRなら、店頭での現金や設置端末に伴う煩雑さを解消し、従業員による管理やレジ会計のオペレーションが、簡単&スピーディになります。
これは単に、QRコード決済そのものを導入するメリットですね。別にJPQRだからということではありません。
ポイント③マイナポイント+主要QRサービスによる集客UP!
これもJPQRに限った話ではなく、QRコード決済そのものの話ですね。
▼マイナポイントに関しての過去note▼
ここまで良いところがあまり見当たらないJPQR普及事業ですが、唯一「おっ!」と目を引くサービスがありました。
統一ではないが、管理が便利になるもの
✔JPQR売上管理画面
JPQR対応サービスの管理画面への遷移
決済履歴をまとめて管理できる画面
これはちょっとだけ便利そうです。
知り合いの飲食店の話によると、複数の決済サービス(現金・カード・電子マネー・QR等)を導入すると、レジ連携していないとその日の売上がどの決済を通して、いくらあったかの売上管理が非常に面倒なようです。
QRコード決済だけでも、一括りでかんりできるようになると、店舗・事業者さんの負担は少しだけ和らぎそうです。
ですが本サービスがどこまで便利ツールになっているのかわからないので、現段階では何とも評価のしようがありません。
JPQRを普及させるポイント
ここまであまりいいところが見当たらないJPQR。
更なる普及を目指すにはどのような施策が必要でしょうか。
仮説1:単品サービスで終わらせない。
リクルートのAirレジを始めとする、スマートPOSレジシステム。売上管理から、各種決済のキャッシュフローまで管理が可能です。
このように、単に店頭でのQRコード表示がひとまとめになる、という単品サービスだけで終わらせず、様々な機能追加・サービス追加をしなくてはならないと思います。
小規模事業者がターゲットであるのであれば、例えばクレジットカードや現金の売上も一括で管理できる売上管理システムに進化させていくなど、追加でのサービス開発投資が必要となるでしょう。
単品単発で終わってしまうのが、いかにもお役所仕事らしいですが、このままではユーザの混乱を和らげるのが目的であったはずなのに、余計国民全員が混乱に陥りそうな気がしています。
既にAirレジ(AirPAY)では、AirPAYに申し込めば複数のQRコード決済が使えるようになっています。一括でリクルート社からサービス提供されます。
仮説2:最強のQRコード決済サービスをたちあげる
すでにQRコード決済のマルチペイメントサービスは、複数サービスが世の中に普及しています。
前述したリクルートのAirPAYや、デジタルガレージ社のCloud Payなど、主要QRコード決済サービスは抑えられており、さらに便利な売上管理ツールも提供されています。
もしも国が主導で、統一QRコード事業を継続したいのであれば、これら既出の民間サービスを超えるものでなければ、やる意味はないでしょう。
しかし、国が民間事業者のサービス開発のスピードに追い付けるかどうかは疑問です。
まとめ
国主導での統一QRコード。
国が介入してきた意味のあまり感じられない国策のようです。こんなことよりも、別の施策でキャッシュレスの促進をすすめるべきだったと感じております。
とはいうものの、始めてしまった政策なので、#勝手にキャッシュレス推進委員会としては、少しでもJPQRの普及に寄与できればと考えております。