ただそこにいるだけでいい。

仕事というのは1日で上達するものではない。

それはスポーツでも恋愛でも何だって同じことだ。
(それは置いといて)

例えば、ひと昔の日本では一流の板前に育てるために、入社初日からは絶対に包丁を握らせなかった。

魚をさばくという単純な作業でも、
・そもそもお店のどこに魚を保管しているのか。
・まな板はお店のどこにあり、どんなまな板を使うのか。
・魚をさばく包丁はどこにあり、どんな包丁を使うのか。
・使った調理器具はどうやって洗い保管するのか。
・そもそものそもそも魚はどこから仕入れているのか。
・魚に合うお酒は?そしてお店はどんな飲み物を取り扱っているの?
・そもそも魚ってどんな種類があるのか?
・淡水魚と海水魚ってどう違うの?
・そもそもここのお店は何時から何時まで営業しているの?
・そこのお店はどういった人がいるの?
・どんなメニューがあるの?

など、お客様の前に立って包丁を握るまでに覚えることは天文学的数字に及ぶ。

それをいちいち指導なんてしてられない。
だからこそ””見て学べ””ということだ。

料理をお客様に運ぶという配膳業務で料理名や料理に合ったお皿を覚え、季節によって出される魚を知り、宴会後に残飯をつまみ食いをして味を覚える。

料理長がお客様とどういうコミュニケーションをしているのか。

洗い物をしながら調理に使われている器具を学ぶ。


通常業務をこなし、ただ単に過ごす日々だけでも出勤さえすれば自然に学んでいくもの。

そしてその小さな学びでもそれが日々積み重なれば、1年後には一通りは業務覚えてきて、3年後にはベテラン。5年後には指導役。10年後には師匠になる。

ただ、そこにいるだけでも、人間は学ぶ。

脳は凄い。

苦しくても耐えて、耐えて耐えれば必ず何かを得られる。
本当に身につけたいと思えるものならね笑


ただ、そこにいよう。

というか居続けよう。








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