書評#1 君の話
「君の話」 三秋縋 著 ハヤカワ文庫
人はみな青春ゾンビ。いくら待っても過去は変わらず、未来は手を差し伸べてくれるわけではない。だから小説でだけでも救われたい。ハッピーエンドを迎えたい。この小説はハッピーエンドとは言えないかもしれないけれど、その機会があったという点で救われる。現実では挽回のチャンスも訪れない。この小説の世界にも主人公より悲しい青春を送り、義憶に頼ることもできず、ただあったはずの過去に焦がれるだけの悲しい人がいるのではないかと、そんなことを思う。(深夜テンションで)
SFチックだけれどそれは要素で、本質は青春小説。最後の主人公のしていることなどいらない気もするし、灯火の過去は誰が書いてるんだと気になるけれど、二人の物語としては綺麗でした。