夏にぴったり/駅から歩いていける美術館(『美術手帖』から)
梅雨が早々に明け、例年より早く猛暑に突入しました。駅から歩いていける美術館で美に全身を浸しながら涼んでみませんか?
6月28日付の電子版『美術手帖』が「この夏、気楽に行ける都内の駅チカ美術館をピックアップ」と題して、12の美術館と、それら美術館で開催中及び開催予定の展覧会を紹介しています。その中から、私の興味で2つの展覧会を取り上げます。
1.モネに絵の手ほどきをしたウジェーヌ・ブーダンが登場の展覧会
私が何といっても興味があるのが、国立西洋美術館で開催されている「自然と人のダイアローグ」展です。
というのも、この展覧会では、まだ画壇に本格デビューする前のクロード・モネに絵の手ほどきをしたウジェーヌ・ブーダンの作品が展示されているからです。
上掲《トルーヴィルの浜》は、『美術手帖』に収載の展示会場写真から切り抜かせていただいたものなので、不鮮明ですね。
ブーダンの雰囲気をもう少しよく感じていただくため、「自然と人のダイアローグ」展には登場しない作品ですが、《トルーヴィルの海岸》(1864)を「アート名画館公式ブログ」からお借りして掲載します。
ブーダンは、モネに戸外でのスケッチの仕方と、作品への光の取り入れ方を教えました。モネは、のちに戸外でのスケッチを活かした数々の名作で「光の画家」と呼ばれるようになります。そのベースは、ブーダンの手ほどきを受けて築かれた部分が大きいのです。
私は、このエピソードをクリストフ・ハインリヒ『クロード・モネ』(TACHEN)で知ったのですが、「アート名画館公式ブログ」に丁寧な説明があるので、細かい点は、そちらに譲ることにします。「アート名画館公式ブログ」は、ブーダンの影響が認められるモネの作品も紹介しています。
2.展示会場写真に〝ひと目ぼれ”の「ゲルハルト・リヒター展」
もう一つ興味があるのが、東京国立近代美術館の「ゲルハルト・リヒター展」です。
私は、このアーティストについては、今回の『美術手帖』記事で、初めて知りました。何の予備知識もなしに、下に引用させていただく展示会場風景を見て、全身に電気が流れたようにビビッときたのです。
『美術手帖』の記述を要約すると、ゲルハルト・リヒターは、次のようなアーティストなのですね。
リヒターは東ドイツに生まれ、西ドイツで本格的に美術を学んだ。新聞や雑誌に掲載された様々な白黒写真を拡大してキャンバスに写す「フォト・ペインティング」からスタート。その後、色見本帖のように多数の色の小片を画面に並べた「カラーチャート」、グレイ一色で塗り込めた絵画、鮮烈な色彩による「アブストラクト・ペインティング」などと、次々と表現技法を広げながらドイツ現代美術の巨匠と呼ばれる存在となった。
〔『美術手帖』「ゲルハルト・リヒターの魅力とは何か? リヒターを観るための4つのキーワード」2022年6月3日付の記述を、楠瀬が要約〕
展示会場風景に一目ぼれしたリヒター作品を、実際に、この目で観たいと思った次第です。
以上、ネット上の情報を借りてつぎはぎしただけの、何のオリジナリティもない投稿になってしまいましたが、この夏、みなさんが美術館に足を運ばれるきっかけになれば、これに勝る幸いはありません。
すでに鑑賞してこられたRinaさんの記事を引用させていただきます。
会場で撮影なさった素晴らしい写真が満載です。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。