ダイモ「テープライター」〜「なつかし断捨離日記」
みなさん、こんにちは。
ケイズハウスのなかの人です。
ケイズハウスは、実家じまい(相続)や
マンスリーマンションを得意とする不動産会社です。
古ぼけてしまった大切な実家。
まるでタイムスリップしてしまったかのような子供部屋。
親と子の未来を見据えた断捨離は、宝物と感動でいっぱい。
このコラムでは、昭和の昔、
こどもたちには「ちょっとだけ手の出しにくかった」
ベストセラー商品の当時の価格や時代背景を探りながら、
その魅力を語っていきたいと思います。
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その昔、リリー・フランキーさんが「女は明朝体ぐらいのTバックを履くべきだ」みたいなことを言っていたような記憶があります。そもそもこのギャグ(訓示?)は、「書体」というやや専門的な概念が理解されているということで成り立つ、少し難解な話です。
時代はすっかり進みました。
その昔、昭和の時代には、「書体」なんていうものは一部の専門家だけにしかわからない話でしたし、とくに子どもたちにとっては、ものすごく縁遠い話でした。
文字というのは、自分たちが書くミミズがのたうち回ったような「手書き」文字のことであり、「印刷の文字」(書体)と自分たちの周囲の世界との間には、明らかに隔たりがあるものでした。
そんなわれわれに「書体」の醸し出す「異次元感」を与えてくれたのが「ダイモ テープライター」でした。
活版印字の凸凹を利用したような「パンチング技術」で、ビニールフィルムに白く傷をつけるかたちでローマ字やひらがなを印字するマシーンです。後年、テプラ(キングジム)など、感熱で印字する、より気の利いた商品が生まれてきましたが、当時(1960年代後半)、ダイモはそれなりにオシャレな商品でした。
私はなぜだか、このダイモがとても欲しかった。おかんにパンツに「(自分のなまえの頭文字)け」などと書かれていた幼少時の私は、この「自分の物に自分の名前を貼る」という行為が、ほんの少しだけでも格好良くなることを願い、背伸びし、抵抗し、そして、このマシーンを熱望したのでありました。
70年代、ダイモの当時の価格は3900円。現在の価格に直すと約1万円です。現在発売している商品の価格よりもかなり割高。
ああ、それにしても、自分の名前を印字しただけで心踊ったあのころが、妙に懐かしく思います。
では、また、次回をお楽しみに。