完全には分り合えないけど〜手話サークルを見学して〜
こんにちは!コミュニティ運営サポーターのかすみんです。
仕事の一環で行かせていただいた
「手話サークル」での見学レポートを書こうと思います。
この日の手話サークルでの大きなトピックは、「手話ダンスの確認」でした。
ある健常者のパフォーマーさんが、数日後に手話ダンスのステージを控えており、ろう者の方々に「手話がこれでいいか?」を確認しにいらしたんです。
ダンスで使用する楽曲は、小学校で習う「にじ」。(♪に〜じが〜 にじが〜)
このパフォーマーさんとろう者さん、そして通訳さんたちのやり取りが、私にとっては価値観を変える転機となりました。
普通だと思っていた歌詞が、そのままでは手話として伝わらない。
「にじ」の歌詞をそのまま手話にすると、ろう者の方々にとっては「??」が沢山なんだそう。
例)
『庭のシャベルが 1日濡れて』…家の外にずっと置きっぱなしだったの?
主語はだれ?「人間が」置きっぱなしにしたの?or「シャベルくん」が
置きっぱなしにされたの?
『雨が上がって くしゃみをひとつ』…誰が? なんで雨が上がったら
くしゃみをするの?どう繋がるの??
『明日はきっと いい天気』 …「いい天気」とは?詳しく言うとどんな状態?
なので、この日の手話サークルでは、学校の授業のようにホワイトボードを使って歌詞を書き出し、
ひとつひとつニュアンスを全員で確認していく時間となりました。
「にじ」の歌詞のニュアンスを改めて見直した時間は、
私にとって「当たり前」だと思っていたことを
改めて意識的に見直す機会となりました。
そして気づいたのは、
普段私は、どれだけのことを無意識に流し、
「幸せの青い鳥」を追いかけていたんだろう、ということ。
「足りてない!あれが出来ない・これが出来ない」と外に求めるのではなく、
今、私が当たり前に出来ていること、今目の前にあるものなど
「当たり前の幸せ」を軸に、もっと私なりの幸せを拡げていけばいいんだと
思い直せました。
完全には分かり合えないけど、お互いを尊重し、共に作り上げていく姿勢
パフォーマーさんとろう者さん達のコミュニケーションはまさに、
「磨き合い」でした。
パフォーマーさんはもう数日後には手話ダンスを控えている。
でも、「ただのお遊びだね〜」と思われたくなくて、ろう者の方々に想いが届く手話の動きを取り入れたい。とにかく妥協したくない。
ろう者さんは「完全には伝わるわけない」のを知っているけども、
パフォーマーさんの意思を尊重して、手話ダンスをブラッシュアップさせたい。
そんな両者の想いによって対話がなされ、ダイヤの原石を磨き合っているような光景に立ち会えたのが、とても貴重な経験でした。
立場も意見も異なる人達が集まり、想いを共有して
お互いを尊重しながら何かを作り上げていく姿勢。
コミュニティに必要なのって、こういった姿勢がベースの対話なんだろうな。
本日もお読みくださり、ありがとうございました!